生け花・瓶花
瓶花の特ちょう
瓶花(へいか、りっか、しょうか、せいかなどの様式があります)は、細長い花瓶(かびん)に花を縦長に生ける技法で、生け花の基本の1つです。瓶花の一番の特ちょうは、自然の花が持っている感じを損ねずに、それを花瓶の中に風流に再現するという姿勢です。
落ち着いた花色の芍薬と黄色い小花のそけいを組み合わせた作品は、しなやかな枝の横にのびる動きを見せて、初夏の季節美を表現しています。
挿し口を引きしめて生ける
口元のせばまった瓶やつぼなどの高さのある器を使って、挿し口の部分がすっきりと引きしまって見えるように生けることが大切です。細長い花瓶に安定させるため、横木などの留め木を使って生けます。
各流派には基本的な「型」が定められており、型を構成する主要な枝の長さや角度が目安として規定されています。ここでは、瓶花の一例として、小原流の瓶花傾斜型(けいしゃけい)の生け方と花型図を紹介します。
桔梗の紫(むらさき)色の花が目にすずしい作品は、花木の枝ぶりを生かし、初夏の花をさわやかに取合せた瓶花です。
瓶花の構成は、主枝(しゅし)、副枝(ふくし)、客枝(きゃくし)の3つに別れ、それぞれの長さや挿す位置、角度の変化によってさらにいくつかの種類に分けられます。
主枝は前方に70度の傾斜角度をつけ、枝先を左前方に45度振ります。副枝は主枝との広がりをつけるために左奥へ枝先を引いて挿します。客枝は前方に60度、右へ30度振って挿します。
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