福笑いって何?
福を招く遊び
お正月の伝統的な遊びとして忘れてはならないのが、福笑いです。これは「おかめ」、「ひょっとこ」といったお面の輪かくだけをえがいた紙の上に、目かくしをされた人が、目や鼻、口などの顔の一部を自分のカンをたよりに正しく並べていく遊びです。
この2つの顔が使われたのは、縁起(えんぎ)がいい、福を招くとされている顔で遊ぶことで、新年をめでたく迎えたいという考えがあったからです。おかめは、古くからある日本のお面の1つで、顔、鼻、ほおが丸い、ふくよかな女性を表しています。昔の日本では太って福々しい女性は災いを払う力があると信じられていました。また「お亀(かめ)」と名前に長生きのシンボルとなっている亀の字をあてたり、「お多福(福が多い)」とも言うことから縁起がいいとされています。
ひょっとこは、口をつき出し、おどけた表情の男性のお面です。かまど(昔の加熱調理設備)の火を竹筒(づつ)で吹(ふ)く「火男(ひおとこ)」がなまったと言われています。かまどの火にまつわる存在ということで「火を守る神様」、または「かまどの神様」と考えられ、やはり縁起がいいとされているのです。
江戸時代(1603年〜1867年)の後期から流行し始め、明治時代(1868年〜1912年)になると正月の遊びとして盛んになり、以後1960年ごろまで、家庭で子どもたちを中心として遊ばれました。その顔には、おかめだけでなく、人気役者やマンガの主人公など、その時代を反映する人物も登場しました。