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日本の伝統的な遊び

お正月の遊び

日本には、中世の時代から現代に至るまで子どもたちによって楽しまれている伝統的な遊びがたくさんあります。時代の移り変わりの中で、昔ほどには楽しむ機会がなくなったものもありますが、今でも子どもたちが夢中になる遊びもあります。それらはよくお正月の遊びとして親しまれています。

昔からお正月の遊びとして親しまれている日本の遊び

めんこ

まず挙げられるのが、めんこです。めんこは丸形や長方形のボール紙で作ったカードです。

遊び方は、地面に並べた相手のめんこに自分のめんこをたたきつけて、相手のめんこが裏返しになれば勝ち、というものです。めんこは日本で明治時代中期の1880年〜1885年ごろに作られ、表面にはその時々に子どもたちの間で流行したヒーローや、マンガなどの絵がえがかれています。

めんこ

こま

そのほかの遊びとしては、こまやたこあげが挙げられます。こまは手で回したり、ひもなどを使って回して遊びます。日本最古のこまは、2020年に南滋賀遺跡(みなみしがいせき)で発掘(くつ)されたもので、6世紀(501年〜600年)後半から7世紀(601年〜700年)前半ごろのものと考えられています。当時は遊びに使うのではなく占(うらな)いに使われていました。江戸時代(1603年〜1867年)になると、ベーゴマというこまが登場しました。ベーゴマは、木や鉄で作った小さなこまですが、ひもを使って回し、その回る勢いで、相手のベーゴマを決められたわくの外へはじき出す遊びです。

ベーゴマ

日本ではそのほかにも音の出る唐(とう)ごま(うなりごま)、よく回ることで知られる博多ごまなど、さまざまなこまが作り出されました。

いろいろなこま

たこ

たこあげは、世界中で愛されている遊びですが、今でも日本では正月の遊びとしてとても人気があります。

日本のたこは、平安時代(794年〜1185年)に中国から伝えられたもので、江戸時代(1603年〜1867年)に大流行しました。形もさまざまで、六角形や正方形のもののほかに、やっこだこ、角だこなど、伝統的な絵がらがえがかれ、見た目にも美しいものがあります。やっこだこは、商人に人気があったたこで、腕(うで)をのばしたこっけいな表情の人の顔がえがかれています。変わったものでは、10メートル(約33フィート)四方の大きさをほこる大きなたこもあります。以前は、村落同士などで大だこをあげたり、たこ同士をたたかわせてどちらが先に相手のたこ糸を切るかを競うことも行われました。

いろいろなたこ

羽根つき

そのほかの正月の遊びといえば、羽根つきがあります。木の実の種に鳥の羽をつけたものを、羽子板と呼ばれる長方形の木の板で打ち合う遊びです。

着物姿の女性のかざりがほどこされた羽根つきの羽子板

この遊びは、500年以上前から続いています。時代の移り変わりと共に、羽子板の絵がらには、着物の女性や歌舞伎役者(かぶきやくしゃ)の姿を凹凸(おうとつ)をつけてえがいたかざりなどが使われました。今では遊びで使う羽子板のほかに、装飾品(そうしょくひん)としての羽子板も人気があり、10万円以上する高額なものもあります。

羽根つきの羽

かるた

かるたは、現在でも日本の子どもたちに人気のある遊びです。かるたはトランプに似たカードですが、数字のかわりに絵や文字、5・7・5・7・7の字数で表現される和歌の短歌などが書いてあり、数十枚で一組になっています。

例えば、子どもに人気のある、いろはかるたは、読み手のカードにはことわざが書いてあり、遊ぶ側には最初の文字とことわざを表す絵がえがかれています。読み手がカードに書かれていることわざを読み上げ、遊び手はそれに合うカードを探して取ります。最後に一番多くのカードを取った人が勝ちとなります。いろはかるたは江戸時代に作られたもので、そこには日常生活の中で使われている教訓やことわざが書かれていることから、特に人気がありました。

かるたのカード