niponica is a web magazine that introduces modern Japan to people all over the world.
2013 No.11
日本の布が世界を包む

くらしを包む現代の布
機能性にこだわった布製品と、職人技とハイテク技術を駆使したテキスタイル。伝統的な織物にとどまらず、新しい技術と融合し、私たちのくらしを、便利に、豊かに彩る、現代の布を紹介する。
撮影●村上圭一、高橋仁己
協力●(株)ユニクロ、アツギ(株)、ユニ・チャーム(株)

洋服のように、その日の気分に合わせて選べるアツギの「ASTIGU」。その中でも素肌感が特徴の【肌】シリーズは、全12色が微妙な色の違いで展開され、肌の色や洋服に合わせて選ぶことができる
快適にはけて脚をきれいに見せる高品質なストッキング
きちんとした印象を与あたえるアイテムとして、日本でもよくはかれているストッキング。日本製は高品質といわれるが、最近では、脚をきれいに見せる機能を持ったストッキングが増えている。ファンデーションのように脚の色に応じて選べるもの、伸縮性のある糸を使い着圧を強めて引き締め効果を持たせ、脚を細く見せるもの、二重に糸を巻き破れにくくしたもの、凹凸のない糸で編まれた透明感のあるもの、五本指に分かれたもの……。これらはほんの一例。高温多湿の気候でも快適にはけるように、臭いや雑菌を分解する消臭機能やUV加工がほどこされたものまである。素足よりも心地よく、きれいに見える。それが日本のストッキングだ
夏は涼しく、冬は暖かい進化する機能性下着
アパレルメーカーと繊維事業を手がける企業が、夏と冬の気候に合わせた機能性ウェアを共同開発した。
汗をかき、べたつく季節や場面に向けた下着「エアリズム」は、男女の生理的な違いに合わせ、使用する繊維を変えているのが特徴だ。汗をかきやすい男性用には、汗の吸収と速乾性に優れた極細のポリエステルを、汗で体が冷えがちな女性用には、湿気をすばやく吸い取りコントロールするキュプラを主に使っている。男女用ともに、抗菌、消臭効果のある成分を付加し、高温多湿の環境でも、快適に過ごすことができる。
防寒機能を高めた冬用の機能性ウェア「ヒートテック」は、体から発する水蒸気を利用して発熱するのが特徴だ。水蒸気を吸着し、熱エネルギーに変えることで発熱するレーヨン繊維、発熱した熱を保温するアクリル繊維、吸水性に優れ乾きやすいポリエステル繊維、伸縮しやすいポリウレタン繊維の4つの繊維を編み込んでいる。軽くて着心地がよく、着ているだけで暖かいヒートテックは、当初は下着のみだったのが、カットソー、ジーンズ、靴下などにまで発展。現在、販売数は世界中で累計3億枚以上にのぼり、さらに進化を続けている。
※掲載している商品には、販売を終了しているものもあります。
肌にやさしくフィットする赤ちゃんも安心の紙おむつ

左上/ソフトレッチ®を使用した紙おむつ「ムーニー」。高品質の生理用品や紙おむつで定評のあるメーカー、ユニ・チャームが12年間の研究の末、開発
右下/きめ細やかな繊維を編み上げたシート。水分の吸収後、表面がさらさらになる効果もある
赤ちゃんの皮膚は、大人の皮膚の約2分の1の厚さしかないといわれる。紙おむつは、短い繊維を絡み合わせた不織布でつくられるため、手触りがかたく、伸ばしづらいのが一般的だ。長時間着用しなければならない赤ちゃんにとって、肌が荒れてかぶれる原因になりがちだった。そこで開発されたのが、肌にやさしく、伸び縮みする新素材ソフトレッチ®。きめ細かな繊維を編み上げた不織布と伸縮する不織布を組み合わせることで、肌触りのやわらかさと、体の形に合わせた伸縮性を両立できるようになった。赤ちゃんの動きに合わせて体にフィットするので、肌こすれも軽減される。赤ちゃんの肌へのやさしさをかたちにした紙おむつだ。