京都時代祭
時代祭は日本の古都、京都の三大祭りの1つです。京都三大祭りには、その他に5月に行われる葵祭と7月に行われる祇園祭があります。
時代祭は京都の東に位置する平安神宮で10月22日に行われます。これは、桓武天皇が794年に首都から京都に移り住み、そこを平安京と名付けた日です。
平安神宮は桓武天皇に捧げられたもので、1895年に平安京の設立1,100周年を記念して建てられました。時代祭はそのときに行われた記念イベントの1つで、その後、ほぼ毎年行われています。
これは、神宮を維持し、保護するために設立された平安講社と呼ばれる住民組織によって始められました。江戸時代(1603年から1868年)の京都の人口はおよそ350,000人で、東京に首都が移された後、1873年には220,000人にまで減少しました。地元住民は、何もしなければ自分たちの町が徐々に廃れてしまうかもしれないと恐れました。町を活性化する方法の1つとして考え出されたのが、平安京の時代から始まり、江戸時代の終わりまで続く京都の風習と作法を再現する行列を作ることでした。
最初の祭りには6つの行列と約500人が参加しました。現在は、さまざまな時代を映す20の行列と、約2,000人が参加しています。
祭りの日には、神宮の本尊を乗せた2台の天皇用の馬車が午前9時に境内を出発します。ハイライトは正午頃で、京都に関連する歴史上の人物のパレードが続きます。幕府を倒したときに明治天皇の味方をした江戸後期の戦士の集まりである維新勤王隊が続き、その後、坂本龍馬(明治維新期に活躍)、将軍織田信長、紫式部(源氏物語の作者)、清少納言(枕草子の作者)などが続きます。
行列の全長は約2キロメートル(1.2マイル)あり、京都御所から平安神宮までの約4.5キロメートル(2.8マイル)を行進します。行列の最後の人は、午後4時を少し過ぎた頃に神宮に到着します。
衣装、馬具、装飾品、草履など、およそ12,000の歴史的遺物が使用されます。これらは徹底的な歴史的調査に基づいて再現されたもので、本来の物を作成するときに使用されたのと同じ素材で作られ、染色されています。総合的な価値は25億円から30億円(約2100万ドルから2500万ドル)です。このため、この行列は「歩く博物館」と呼ばれることもあります。見物人は衣装を着けた行列を見るだけではなく、京都の豊かな歴史的伝統や民間の慣習を忠実に再現したものを垣間見ることができます。