ローティーン女子に向けた雑誌『ニコラ』専属モデルの林芽亜里ちゃん。リップが大好きで毎月連載をしているほど。
(写真提供:Photo Daisuke Fujii ©Shinchosha)
化粧は大人になってから始めるものと思っていませんか?日本ではローティーンの女子たちの間で、きれいな色のリップやきらきら輝くネイルなど、おしゃれ感覚で化粧を楽しむ人が増えてきています。ほんのり化粧して休日のお出かけを楽しむローティーンの姿もみられるようになりました。また近年では、ぬりえやままごと人形といった昔ながらの子どもの遊びにもコスメやネイルのモチーフが取り入れられていたり、子ども向けのキッズコスメも人気です。日本では、伝統行事の「七五三」で三歳と七歳の女の子が化粧をほどこしてお祝いする風習があるので、幼い頃から化粧にあこがれる人が多いのかもしれませんね。今回は、そんな「コスメ・化粧」にまつわる話題を紹介します。
女の子のイラストに、コスメのような画材を使って、お化粧感覚で色をつけていくブティック社の「メイクアップおしゃれぬりえ」。本物そっくりのチークブラシでぼかし塗りもできます。(写真提供:© ブティック社)
1967年に発売され、50年以上も日本の女の子たちに親しまれているタカラトミーの「リカちゃん」シリーズにコスメが大好きな子も登場。(写真提供:タカラトミー © TOMY)
ネイルには除光液を使わなくても水などで落とせるものや爪に貼るネイルシールもあります。親子が対象のキッズネイルのイベントでは、子どもの爪でも重ねて貼れて、かわいく仕上がるネイルシールが人気。(写真提供:マイナビニュース)
ローティーン女子が愛読する雑誌で、メイクアップ特集が盛り上がっています!
日本ではローティーンの女子向けの雑誌が出版されており、近年はメイクアップ特集が数多くとりあげられています。そこで、2つの人気少女雑誌の編集者さんに、どのように化粧が楽しまれているのかなど、いろんなお話をうかがいました。
「読者全員が主役」をコンセプトに、2019年に創刊されたエンタメファッション誌『Cuugal(キューーガル)』。(写真提供:[発行]フォーサイドメディア株式会社[発売]東京ニュース通信社)
おしゃれやかわいいものに関心が高いローティーン向けの雑誌では、メイクアップ特集が人気で、読者アンケートでも大きな反響があるようです。この雑誌の編集者の方に彼女たちがなぜコスメが大好きなのかうかがいました。
「日本のローティーンにとって、コスメは個性を表現するための道具でもあるんですよ。化粧することは好きな服を着ることと同じで、おもに休日に親や友達とお出かけする時に、おしゃれのひとつとして楽しまれています。SNSにみんながこぞって自撮り写真をあげるようになって、かわいい写真を撮りたいと思うことが増えたことも人気の理由です。また、うちの雑誌のメイクアップ特集では、読者モデルによるセルフメイクが注目されています。同世代の読者モデルの姿を見ることで、私でもできる!と身近に感じられているんです。セルフメイクの撮影会では、お母さんに化粧をしてもらってきた!とうれしそうに話す子も。お母さんたちがおしゃれでトレンドに敏感ということもあって、親子でいっしょに最新のコスメが楽しまれているんです。」
10代前半のローティーン女子に人気のファッション誌『nicola(ニコラ)』。(写真提供:©Shinchosha)
創刊から20年以上たつ雑誌の編集者さんに、ローティーンの女子たちの環境の変化について教えてもらいました。
「この雑誌でメイクアップ特集が始まったのは2000年代になってから。それまではローティーン女子ならではのお悩みのニキビができやすい肌をお手入れするスキンケア情報が中心でした。2010年代になって日本の少女たちの間で、目もとを強調するアイメイクのコスメが流行ったことがきっかけになって、だんだん化粧に興味をもつ子が増えていきました。また、母と娘で仲よくおしゃれをしてお出かけを楽しむライフスタイルも増え、さらに低価格専門のお店であつかわれるコスメの質がよくなったことで、親が安心して娘を応援しやすくなりました。2016年に初めてふろくにリップとチークとミラーをつけたところ好評で、メイクのふろくは今も大人気です。最近の大人っぽくなりたいと思っているローティーンにとって、コスメは持っているだけでも気持ちをときめかすことができるアイテムです。」
『nicola(ニコラ)』メイクアップ特集の誌面。(写真提供:©Shinchosha)
子どもの肌への影響も考慮されたキッズコスメ。
お友だちへのプレゼントにも喜ばれそうな星型のケースに入った「すみっコぐらし」のコスメセット。明るい色のリップや水溶性のネイルなどが入っています。(発売元:粧美堂 ©2020 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved.)
日本ではローティーンにも化粧が楽しまれるようになった一方で、子どもの肌への影響がちょっと心配という親の声もきかれます。その理由には、子どもの皮は大人よりも薄く、外からの刺激に弱いことがあげられます。みなさんも、化粧をするときには、安全性を確かめて肌への負担が少ないものを選んで楽しんでくださいね。一般的に子ども向きの「キッズコスメ」として日本で販売されているものは、水や石けんでかんたんに洗い流せるものが多く、子どもの肌に配慮されてつくられています。
また、キッズコスメは、日本各地にあるおもちゃ屋さんや、日本のおしゃれな少女たちがあこがれる原宿の竹下通りにあるファッションショップなどでも買うことができます。近年では、実際の店舗だけでなくインターネットのお店でもキッズコスメに関するさまざまなアイテムを手に入れることができるようになりました。
子どもの頃から色にまつわる感覚や美的センスをみがけることもキッズコスメの魅力の一つです。あなたもお気に入りのコスメをみつけて、自分の個性にあった化粧にチャレンジしてみてはいかがでしょう?