絵師、彫師、摺師が協力して作り上げる
浮世絵は1人の手によって生み出されるものではありません。絵を描く人、彫る人、摺る人の3人が協力し合って初めて、1つの作品が完成するのです。
-
まず絵師が、墨の線で下絵を描きます。
-
次に彫師が、下絵を山桜の木の板にはり、絵がらを彫って、主版(おもはん)という版木を作ります。これは黒1色の輪かく線を摺るためのものです。
-
色ごとに分けて版木を彫り、それぞれの色の色板を作ります。
-
絵師の立ち会いのもとで、版画を摺る摺師がそれぞれの版木に色をつけていきます。
-
各版木には、同じ位置に印がつけられており、摺師は色を重ねていくときに、印刷紙の決められた場所をそれぞれの版木の印にあてがって摺ります。そうすれば、ずれることなく仕上げていくことができます。
-
色を重ねていくときの手順は、「淡(あわ)い色から濃(こ)い色へ」、そして「小さな面積から大きな面積へ」が原則です。
-
仕上げにボカシと言われるグラデーションを入れ、完成です。
((公財)アダチ伝統木版画技術保存財団)