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折り紙の歴史

儀礼折(ぎれいおり)の誕生

7世紀の初め(610年)に大陸から紙の製法が日本に伝えられた後、日本人の工夫によって薄(うす)くてじょうぶな紙、和紙が生まれました。はじめは写経や記録をするために紙を使っていましたが、神事にも用いられるようになり、神への供物などさまざまな物を紙で包むようになりました。やがて供物や贈(おく)り物を包んだとき紙に折り目がつくことに着目して、包みを美しく折って飾(かざ)る儀礼折が生まれます。室町時代(1336年〜1573年)に入ると、小笠原家や伊勢家などの礼儀作法を定める一族によって、さまざまな礼法が整えられましたが、紙包みの礼法として儀礼折も、そのころ整えられたものです。今も使われるお祝いの贈り物にそえる飾りであるのし包みや結婚式(けっこんしき)の飾りである雄蝶雌蝶(おちょうめちょう)などの折り方は、その名残です。

雄蝶雌蝶(日本折紙協会)

紙を折ることを楽しむ

やがて礼法や決まりからはなれて、折り方そのものを楽しむようになったのが折り紙です。江戸時代(1603年〜1867年)に入ると紙の生産量も増え折り紙はいっそう人々に親しまれるようになりました。寛政(かんせい)9(1797)年には世界で最も古い折り紙の本「秘傅千羽鶴折形(ひでんせんばづるおりがた)」が出版されています。明治時代(1868年〜1912年)に入ると、折り紙は幼稚園(ようちえん)教育にも取り入れられ、小学校では手工や図画でも教えるようになり、ますます盛んになりました。現在では、折り紙は世界各地に広まり、折紙愛好家の団体がいくつもできて盛んに活動を続けています。

秘傅千羽鶴折形 表紙(日本折紙協会)
秘傅千羽鶴折形 本文(日本折紙協会)
2013折紙シンポジウム_USA講演 OrigamiUSA Executive Director Wendy Zeichner氏による日本折紙協会40周年記念講演(日本折紙協会)
海外交流2014 海外から折り紙研修生を受け入れています(日本折紙協会)