日本の小・中学生の間では学校以外の習い事が盛んです。水泳や 英会話、ピアノなどは根強い人気です。これまでは親が希望する習い事をする傾向が強かったのですが、最近は子ども自身の「やってみたい!」と思う気持ちが大事にされています。子どもが夢中になれるような習い事が今の日本で流行っています。
人気急上昇のヒップホップダンス
ヒップホップダンスは、2008年、「現代的なリズムのダンス」が日本の小・中学校の必修科目に加わってから、人気が急上昇し、あるスクールではダンス必修化のあと、会員数が20%も増えました。
初級クラスでは、柔軟運動やリズムをとる練習からスタートします。低学年であれば、手を叩いたり、膝を曲げたりしてリズムをとることに慣れていきます。高学年であれば、アップ、ダウンなどダンスの基礎的な動きを学びながら、基本ステップである「ランニングマン」や「クラブ」などを学びます。リズム感や俊敏性が養われ、仲間と踊ることでコミュニケーション能力も向上するそうです。
初心者はからだでリズムをとる練習からスタートし、ダンスの基礎的な動きを学んでいきます。(画像提供:avex dance master 「キッズダンススクール」)
あるスクールでは、子どものモチベーションに合わせたチャンスを用意しています。スキルアップを具体的な目標としたい子どもにはダンス検定、プロのアーティストを目指す子どもにはオーディションや育成契約があります。地方から東京のスクールまで通う本気度の高い子どももいるほど、日本の子どもたちの間では、ヒップホップダンスが人気です。
発表会では、ステージを作り上げた楽しさや達成感を味わいます。拍手喝采を浴び、自分に自信が持てるようになります。(画像提供:avex dance master 「キッズダンススクール」)
思考力を高める理科実験とプログラミング
最近、注目されているSTEAM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、人文社会・芸術(Arts)、数学(Mathematics)の略で、次世代の教育理念です。
ある理科実験のスクールでもSTEAM教育の考え方を取り入れています。理数系を軸にいろいろな経験や学習から、自分で考えて課題を解決していく力が得られるようにカリキュラムを作っています。たとえば、糸電話の実験では、身近な素材を使って音の伝達を学びます。「こうすると聴こえる!これは聴こえない」など、いろいろ試して理解を深めます。「こうじゃないかな?」「ああじゃないかな?」と想像して、ワクワクしながら実験してみるのです。そうすると発見したときのよろこびはずっと大きくなります。
糸電話を作って、「モシモシ?」と遊びながら音が伝わる仕組みを発見する実験。(画像提供:ヒューマンアカデミー ジュニア STEAMスクール 「科学教室 サイエンスゲーツ」)
植物の色素を使って、酸とアルカリの化学反応を調べる実験では、思いがけない色の変化に子どもたちの目が輝きます。(画像提供:ヒューマンアカデミー ジュニア STEAMスクール 「科学教室 サイエンスゲーツ」)
2020年、小学校でのプログラミング教育の必修化に伴い、プログラミングを学ぶ子どもも増えています。といっても、難しいプログラミング言語を覚えたり、技能を習得したりすることが目的ではありません。プログラミングを学ぶことで、情報技術の働きを知り、社会づくりに生かせるようになることが目標です。ある子ども向けの通信講座では、タブレットやパソコンを使って、課題解決に役立つ「プログラミング的思考」を身につけられる講座を用意しています。ゲームやクイズで達成感を味わいながら楽しく取り組めます。
自分でプログラムした作品を、付属のコントローラーを使って動かし、確認しながら学ぶこともできるプログラミング講座です。(画像提供:ベネッセコーポレーション 「進研ゼミ小学講座 プログラミング講座」)
日本の小学生はプログラミングをゲーム感覚で楽しく学んでいます。(画像提供:arc_image_gallery)
自発的に考えることや、表現力、創造性を高めるものが多い、イマドキの習い事。放課後の日本の子どもたちは今、楽しみながら学んでいます。