防災の日
多くの家庭にとって、午前11時58分は昼食の準備で忙しいときです。また、台所で火を使って料理している家庭も多い時間です。それは、1923年9月1日の午前11時58分のことでした。関東大地震が東京、横浜とその周辺地域を襲ったのです。マグニチュード7.9の地震は、家やオフィスビルを破壊しただけではなく、140,000人の命を奪いました。それらの多くが、地震の後に発生した火事に巻き込まれたものでした。
この大きな悲劇が起きた日、9月1日は、あらゆる不測の事態に備えることを人々が忘れないように、1960年に防災の日に指定されました。
9月1日が選ばれたもう1つの理由は、数世紀にわたり、この日は特に台風がやって来る可能性が高い日だと考えられていたからです。日本の伝統的な暦で春が始まる日とされる立春から約210日目であるため二百十日(文字どおり210日目)と呼ばれます。特に農民は、収穫前に台風がやって来ると、その年の収穫が台無しになってしまう恐れがあるため、台風を特に気にしていました。
日本は地震が非常に多い国です。1995年1月17日に神戸とその周辺を阪神大地震が襲い、約6,500人の命が奪われました。そして2011年3月11日には東日本大震災により、東日本の広い地域が地震によって破壊され、その後の津波によって約16,000人の命が奪われました。
防災の日には、地方自治体による緊急訓練が日本中で行われます。一部の訓練では、机の下にしゃがんで落下物から身を守り、ビルから脱出する訓練が行われます。多くの小学校と中学校では、9月1日は夏休み後に最初に学校に来る日です。このため、多くの学校が新学期の式典の一環として避難訓練を行います。