二百十日
毎年夏の終わり頃、台風シーズンが始まる兆しである二百十日前後を稲作農家は不安な気持ちで過ごします。これは文字どおり210日を意味し、日本の伝統的な暦で春が始まるとされる立春から210日目を指します。秋の収穫の前に激しい雨と強風が発生すると、その年の収穫がダメになってしまいます。通常、立春は2月4日頃であるため、二百十日は9月1日付近になります。
二百十日は、天文学者の渋川春海(1639年~1715年)によって1686年に日本の暦に正式に追加されました。彼は、日本の暦を改訂するように政府から任命されていました。ある晴れた朝、渋川氏は釣りに行こうと海に出かけようとすると、雇っていた船頭が彼に今日は立春から210日目であると警告しました。「この日を境に、天気はいつも嵐に変わるという古い言い伝えがあります」。舟頭が警告したとおりに、朝の晴れ渡った空は午後には激しい雷雨に変わりました。その後、渋川氏は二百十日の前後数日はいつも嵐になることに気付き、立春から210日目の日を不吉な日として暦に記すことを思い立ちました。
多くの農業団体によって、二百十日の強い風によって作物が被害を受けないように祈る祭りが作られました。これらの中で特に有名なのは、日本海に近く、日本の中央に位置する、富山県八尾で行われるものです。ここでは、地域の住民が9月1日から三日三晩ほとんど休みなく踊り、強い風を作る邪悪な魂を踊りに招き入れ、その間いたずらをするのを忘れさせようとします。