鮎の季節
6月頃、日本では鮎の解禁日を迎えます。この日には、たくさんの人が鮎を釣ろうと、朝早くから釣り竿を担いで川や小川を目差します。鮎の数が十分に保たれるように、鮎を釣ることは指定された期間以外は禁止されています。公式な解禁期間は、鮎がどれくらい大きく育ったかにより、地域によって異なることもよくあります。鮎釣りの期間は、地域や特定の川の状況に応じて、9月までの場合も、12月まで続くこともあります。
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日本は海に囲まれているため、釣りの歴史は長く、現在、世界で有数の水産国の1つです。また、日本は温暖で湿度の高い気候地域に位置しているため、山々から流れ出る多数の急流に十分な量の雨が降り注ぎます。多くの種類の淡水魚がこれらの川に生息しているため、日本では川釣りが非常に人気のある娯楽になっています。また、鮎はこれらの淡水魚の中でも特に価値のある魚のひとつです。さまざまな方法で調理される鮎はとてもおいしく、長い間日本人の生活の中で特別なものになっています。実際に、日本人は何世紀にもわたって鮎を釣ってきました。8世紀に編成された日本最古の詩集である万葉集にも、鮎釣りに関する詩がいくつか含まれています。
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現在行われている鮎の捕り方は、日本のみで行われる非常に面白い方法です。これは、魚が持つ縄張り本能を活用したものです。生きた鮎の鼻に輪を付け、釣り針をお腹に付けます。輪は釣り糸に繋げられ、その魚は川に放たれます。このおとりの魚が別の魚に近づくと、鮎は自分の縄張りを守るためにおとりの魚を攻撃します。おとりの魚に仕掛けた釣り針に鮎が掛かると、釣り人はリールを撒いて鮎を釣り上げます。
鮎を捕まえる方法は他にもあります。岐阜県の長良川では、かがり火を焚いて鮎を釣り舟におびき寄せ、訓練を受けた水鳥の「鵜」が放され、魚を捕って舟に戻ってきます。魚を捕るこの有名な方法は、1,300年の歴史があります。