なまはげ(男鹿半島)
大晦日と新年に秋田県男鹿半島の農家にはなまはげとよばれる恐ろしい怪物が訪れ、子ども達を恐怖に陥れます。
なまはげは架空の生き物です。わらで作ったコートを着て、青と赤のお面をかぶった村の住民がなまはげになって訪れます。青色のお面をかぶったなまはげは女の鬼で、赤色のお面は男の鬼を表しています。男の鬼は細長い紙がいくつも付けられた神聖な杖を天に掲げ、女の鬼は木製の桶と包丁を持っています。彼らは人々の家に突然やってきて「ワーオ、ワーオ」と大声で叫び、泣いている赤ん坊や怠け者の子どもがいないかを聞き、子ども達を震え上がらせます。
突然怪物の叫び声がして子ども達はびっくりします。泣きながら親にしがみついたり、物陰に隠れたりします。親は鬼達に悪い子どもはここには居ませんと言い、食事やお酒で鬼をもてなしてなだめます。十分なもてなしを受けた鬼は家族の安全と健康、豊作、大漁を神様に祈って立ち去ります。
なまはげは、日本海に突き出たこの半島一帯で行われている伝統です。魂を清め、新しい年が良い年になるように祈りを捧げる儀式が行われます。なまはげという言葉はなもみ(火に当たり皮膚が赤くなること)と剥ぐ(はぎ取ること)に由来すると言われており、囲炉裏(日本式の暖炉のこと)の前で怠けて長時間座っていたために赤くなった皮膚をはぎ取ることを意味します。
なまはげが終わると、男鹿半島に新年がやってきます。