Web Japan > Kids Web Japan > 日本語 > ハイテクジャパン > ハイテクトイレ > 和式トイレ
古代の都にも水洗式トイレがあった!藤原京遺跡(橿原市教育委員会)
日本で発見されたいちばん古いトイレは、藤原京(694-710)という都で発見されたもので、穴状のものと溝状のものとがありました。このうち穴状のトイレのタイプは、後に鎌倉時代になると汲み取った糞尿が貴重な肥料として利用されるようになり、広く普及するようになりました。農耕民族ならではの知恵が働いていたようです。溝状のトイレは、溝に水を流して糞尿を外へ廃棄する方式になっていました。また、川の上に張り出した小屋から排泄し、糞尿を川水の中へ流す方式も古くからありましたが、この二つはいわば水洗トイレの原型ともいえます。室町時代には、京都の商家が集まる区域には、区域の人々が交代で利用する個室トイレがあったと記録に残されており、共用個室トイレは次第に一般人にも普及していきました。
少数派になりつつある和式トイレ(TOTO)
さて、日本特有のトイレの形は、便器が床に埋め込まれており、便器に座らず、跨いで排泄する構造になっている点で、「和式」と呼ばれています。日本に下水道技術や洋式便器が入って来たのは20世紀初頭ですが、実際に洋式トイレが普及するのは第二次世界大戦後になってからです。衛生上の理由から排泄物を肥料に使うことが禁止され、水洗トイレが一般的になりましたが、それでも和式の便器が主流でした。現在でも駅や観光地などの公共のトイレは多くが和式です。これは、自宅以外の便座に座りたくないという清潔感を重視する日本人の心理も影響しています。