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ハイテクジャパン

インスタントラーメン


隠れた技術

カップラーメンが出来るまで


工程1

製麺機

小麦粉などの材料を混ぜ合わせてできた生地を、圧延ロールで延ばします。(日清食品株式会社)


工程2

切出機

切刃がついた切出機で麺を線状にします。(日清食品株式会社)


工程3

カット

麺を100℃の蒸気で5分間蒸した後、40センチ〜70センチに切断してカップ状の金属枠に一食分ずつ入れて成型します。(日清食品株式会社)


工程4

瞬間油熱処理装置

油揚げ麺の場合、麺を140℃〜150℃の油の中に1〜2分間通過させます。これで生地の水分が蒸発して乾燥状態になります。(日清食品株式会社)


工程5

カップマシン

乾燥後、麺を冷やしてカップに入れます。この後、調味料や具を加えてカップを密閉し、外側をフィルムシートで包装、搬送用の箱につめてお店に出荷します。(日清食品株式会社)

 麺は小麦粉と水、塩、かん水(中華そばを作るときに粉に混ぜる炭酸ソーダなどを含んだ水)が原料です。こねて延ばし、細く切って蒸す。その後、乾燥させて容器に詰めます。いくつもの工程には、いずれも新しい技術がかかわっています。このうち「乾燥」はインスタントラーメンの保存性を確保するカギとなる大事な工程で、これまでにいくつもの試みが行われてきました。


 日清食品を創業した安藤百福さんは試行錯誤の末、てんぷらをヒントにして商品開発に成功しました。麺を高温の油で揚げて水分を弾き出させる方法で、ほぼ完全に乾燥した状態にできたのです。この「瞬間油熱乾燥法」では、麺の表面に水分が抜けたあとの無数の小さな穴があいているため、熱湯を注いだときにお湯が吸収されやすくなるという利点もあります。


 最近では、油で揚げずに高温の熱風で乾燥させる方法も開発されました。この方法はインスタントラーメンの誕生間もないころにも試みられましたが、「湯にほぐれにくい」「歯ざわりがゴムみたいだ」と不評でした。


 その後90年代後半に、乾燥方法や粉の配合の改良によって、麺を80度の熱風に30分から1時間当てて乾かす方法が確立され、カロリーの低い「ノンフライ麺」として人気を得るようになりました。


 インスタント食品の大きなメリットは保存性に優れていることで、水分が12%を超えてはいけないことになっています。水分含有量は従来のフライ麺が3〜6%、ノンフライ麺が10%前後です。


 ノンフライ麺は、揚げたときに生じる小さな穴のあるフライ麺に比べると、湯の吸収に要する時間が2分ほど長いという欠点がありますが、いずれ新しい技術の開発によって解決できると見られています。


 インスタントラーメンの乾燥方法だけを見ても、おいしさを追求してさまざまな技術が開発されてきたことが分かります。