Web Japan > Kids Web Japan > 日本語 > 子どもクラブ > 白川中学校 > 茅葺き作業の一日
2007年10月28日、18世紀半ばに建てられた合掌造り家屋民宿「利兵衛」の西側屋根の葺き替えが、「結」の活動で行われました。屋根の大きさは約130平方メートルあり、直径30センチの茅の束が全部で約4000束も必要です。
当日早朝7時前、村人たちが三々五々集まってきました。あらかじめ古い茅が取り去ってあるので、合掌屋根は骨組みの上にむしろが敷いてあるだけです。
7時45分、葺き替え作業を取り仕切る世話役と「利兵衛」主人のあいさつがあり、いよいよ作業がスタート。トラックに積み込まれた茅の束がどんどん運び込まれ、現場は活気にあふれています。8時には白川中学校の全校生徒と先生あわせて57人が到着。お手伝いの人は合計で171人にもなりました。
中学生たちはトラックから合掌家屋までの間にずらりと並び、茅の束をバケツリレーの要領で次々と屋根近くまで運びます。屋根には村の男たちが40~50人ほど登り、下から上へ向かって、厚さが均等になるように茅を載せます。同時に屋根の裏側にも村人がいてハリサシと呼ばれる作業をしています。太くて大きなハリで屋根の表と裏にわら縄を通し、屋根の柱にしっかりと茅を縛り付けていくのです。
また茅を縛る縄をさらに強く固定するため、「かけや」と呼ばれる大きな木槌で結び目を叩き、さらに締めつけていきます。みなで一斉に「ホイ、ホイ」とかけ声をかけながら、「かけや」を振り上げ、振り下ろします。
茅が上まで積み上がったら、今度は表面を美しく切りそろえる「片切り」という作業です。
午後12時から昼休みに入り、中学生たちの作業も終わりました。完成間近の茅葺き屋根の上に乗ってみんなで記念撮影をした後、解散です。
中学2年生の男子生徒はこんな感想を聞かせてくれました。
「茅葺きの手伝いは2度目です。前回より屋根が小さかったので楽。茅の上に座ると、ふわふわして楽しいです」
「屋根は高くてちょっと怖いですが、いつも冬は雪下ろしで屋根に登るので慣れているかもしれません」
と言うのは中学2年生の女子。それぞれ思い出深い経験ができました。
屋根葺きの作業は午後も続き、午後5時前に終了。厚さ80センチの美しい茅葺き屋根がほぼ完成しました。