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写真提供:白川中学校
写真提供:白川中学校
白川中学校の全校生徒は1987年からほぼ毎年、茅葺き屋根の材料である茅を収穫する「茅刈り」という作業を体験しています。
2007年度の「茅刈り」は10月24日に行われました。朝9時半、村の近くにある茅刈り場に生徒51人の他、教員や父母、ボランティアなど大人約50人が集合。最初は合掌家屋保存組合の人に茅の刈り方を聞き、次にそれぞれが軍手をはめ、鎌を持って茅場へ入っていきます。
午前中は高さ2メートル近い茅の根元を、ひたすら鎌で刈っていきます。
「茅に囲まれて熱いし、長時間働くので汗びっしょりになります」
と生徒のひとりが話してくれました。
茅は屋根に載せるものの総称で、「コガヤ(植物名:カリヤス)」(左)と「オオガヤ(植物名:ススキ)」(右)の種類があります。「コガヤ」は中が空洞で腐りにくいため、現在、主に屋根の頂上(ムネ)部分に使われます。
12時から1時までは茅場でおにぎりなどを食べて休憩し、午後は刈った茅を50本ずつひもで縛り、それを約5束ずつ束ねて塚を作っていきます。
この日はみんなのがんばりで、672束の収穫がありました。茅は11月半ばまで乾燥させた後、専用の収納庫に納めます。こうして中学生たちが一生懸命に刈った茅は、1、2年後、合掌造りの屋根の葺き替えに使われるのです。
かつて茅葺き屋根の寿命は40年から50年でした。しかし最近では茅の種類の変化の影響で25年から30年に一度、葺き替えが必要になり、白川郷では毎年4~5棟分の茅葺き屋根を新しくしています。