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『作図:高橋俊和「合掌造り民家はいかに産まれるかー白川郷・技術伝承の記録」
白川村教育委員会発行/民族文化映像研究所編集』
この地域では江戸時代から養蚕が盛んで、蚕を飼うための広い場所が必要でした。そこで長くて太い丸太を組み合わせて傾斜が急な切り妻造りの屋根を作り、大きな屋根裏部屋に蚕を飼う場所を作りました。
その屋根の姿がちょうど人が手を組み合わせて仏様を拝む「合掌」の姿に似ていたので、この屋根を合掌作りと呼ぶようになりました。屋根の両端は窓があって、蚕を飼う部屋に光りと風を通します。
家の1階は人の住む部屋と、農作業に使う牛や馬のための部屋があります。中央には囲炉裏があり、ここで料理をしたり家族が集まって食事をとります。今から70年くらい前までは、養蚕などの家事労働を手伝うために家族が20人、30人と一緒に暮らしていたこともありました。
合掌造りの屋根裏(和田家)
合掌造りの家の1階部分は大工さんが造りますが、屋根はすべて村の人たちの「結」で組み立てます。
村の家々はすべて庄川の流れに平行して南北方向を向いています。川に沿って吹き抜ける風が家の中を通り抜けるため、強い風が吹いても家が倒れるようなことがありません。また屋根は、ウスバリと呼ばれる三角形の屋根の底辺にあたる木材にあけた深さ10センチほどの穴にスポッと差し込んであるだけなので、大きな地震があっても揺れを上手に吸収してしまいます。