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子どもクラブ

津軽三味線
(つがるしゃみせん)


喜良市小学校三味線クラブ

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工藤満次先生が手取り足とり教えます。

 金木町(かなぎまち)は青森県の北部にある小さな町です。今年で創立122年になる町立喜良市小学校では、5、6年生の生徒たちが毎週土曜日に津軽三味線の稽古に励んでいます。津軽三味線の後継者づくりにつなげようという目的で、昨年4月から津軽三味線がクラブ活動として採り入れられました。2年目になる今年は、28人いる5、6年生のうち、10人が参加しています。


 金木町(かなぎまち)は青森県の北部にある小さな町です。今年で創立122年になる町立喜良市小学校では、5、6年生の生徒たちが毎週土曜日に津軽三味線の稽古に励んでいます。津軽三味線の後継者づくりにつなげようという目的で、1999年4月から津軽三味線がクラブ活動として採り入れられました。2年目になる今年は、28人いる5、6年生のうち、10人が参加しています。さっそく、なぜ津軽三味線に興味をもったのか聞いてみました。去年の11月に入部した成田亜佑美(なりたあゆみ)さん(6年生)は「今麻実(こんまみ)ちゃんが弾いているのを見て、楽しそうだったから」始めたと言います。その今麻実さん(6年生)と坂本道孝(さかもとみちたか)くん(6年生)の2人は去年の4月に、先生に勧められたことがきっかけで習いはじめました。残りの8人は去年の11月からです。


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毎週1回の練習でも、生徒たちはどんどん上達しています。


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先生の指導に注意深く耳を傾けます。

 古川博喜(こがわひろき)くん(5年生)は「友だちがやっているのを見ておもしろそうだったから」、


 また佐藤麻理(さとうまり)さん(6年生)は「おじいさんが昔から三味線を弾いていたので、私も弾いてみようと思った」のだそうです。


「音楽、とくに楽器を鳴らすのが大好きだから」というのは今麻衣(こんまい)さん(5年生)です。


 生徒たちを教えているのは工藤満次(くどうまんじ)さん(56)。津軽三味線「まんじ流」の家元であり、津軽三味線を作っている数少ない職人のひとりです。


 津軽三味線には楽譜がありませんから、子供たちは工藤さんが弾くのをじっと見て、その音をよく聴いて、見よう見まねで一生懸命に演奏します。基本的なバチさばきは一通り覚えたので、今は10月初めに行われる発表会に向けて練習に取り組んでいます。


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子供達にはまだ三味線が大きすぎるかも知れません。

 これまで津軽三味線を習ってきた感想は?今一輝(こんかずき)くん(6年生)と棟方慎也(むなかたしんや)くん(6年生)は「一歩一歩上達していくことが実感できてうれしい」と声をそろえて答えました。


 しかし伊藤潤哉(いとうじゅんや)くん(5年生)は「だんだん弾けるようになってきたことはうれしいけど、最初は何をやっていいかわからなかった」そうです。


 古川亜里香(こがわありか)さん(5年生)も、最初は「バチが手に合わずうまく持てなかった」と言い、坂本道孝くんも「最初の2~3か月は弾けなくて、しんどかった」と言います。やはり習い初めはだれもが大変だったようです。


 帰宅後や休日でもやはり三味線の練習しているのでしょうか? 成田亜佑美さんは「家は農家なので、休みの日は家の手伝いをすることが多いかな」と言います。


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クラブメンバー全員で記念撮影。秋の公演に向けて練習は続きます。

 今麻衣さんは「ビーズで指輪を作ったり、指編みをしています」。手芸が得意な麻衣さんは、ビーズで作ったブレスレットや指編みで作ったマフラーを先生にプレゼントしたこともあるそうです。


 ふだんは「犬と遊んだり本を読んだり」している今麻実さんと、「テレビを見たり、プレイステーションで遊んだり」しているという佐藤麻理さんは、将来は「喫茶店を経営したい」「武道家になりたい」と、それぞれ大きな夢を抱いています。三味線のプロになろうとまでは、だれもまだ考えていないようです。


 それでも工藤先生は、「なんでも素直に言うことを聞いてくれるから教えやすいし上達も早い。記憶力もいいから一度覚えたことは忘れない。どんどんうまくなるでしょう」と、生徒たちの成長に大いに期待を寄せています。