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子どもクラブ


先生と弟子たち

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山中牙晶先生。景晶君のお父さんでもあります。

 さて、これから能に熱中している山中景晶(かげあき)君と河本進君を紹介しますが、その前に、二人が習っている能のグループ「観世流(かんぜりゅう)」について説明しておきましょう。


 まず、能は完全な分業制です。演技や声楽を担当する「立役(たちやく)」は、「シテ方」(主役)、「ワキ方」(脇役)、「狂言方」(コミカルな演技担当)の3つに分かれます。そして、伴奏担当の「囃子方」は、太鼓(たいこ)、大鼓(おおつづみ)、小鼓(こつづみ)、笛と、専門の楽器ごとに分かれ、さらにそれぞれの役がいくつかのグループに分かれています。


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稽古前には必ず先生にあいさつをします。


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「唐船」の稽古をする景晶君。

「観世流」は、「シテ方」5流の一つで、観阿弥を流祖とし、シテ方ではもっとも大きな勢力を持っています。芸風は優美で繊細な表現を得意としています。


 山中景晶君は小学3年生の8歳です。景晶君のお父さんは代々続く「観世流」のプロの能楽師です。景晶君は、このお父さんとお母さん、そして妹と大阪市に住んでいます。


 もう一人の河本進君は、「観世流」の能楽師である井上和幸さんの教え子で、小学4年生の9歳です。京都市の北部に、出版社に勤めるお父さんと、お母さん、それに妹の彩ちゃん6歳と暮らしています。「能が大好き」という両親の影響で、進君と彩ちゃんも3歳のときから能を習っています。


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稽古をする河本進君と彩ちゃん。後ろは井上和幸先生。

 進君の先生である井上和幸さんは、「観世流」のなかでいくつかある当主(リーダー)「梅若六郎家」に属しています。井上先生は若いころは、ふつうの演劇の役者を目指していましたが、大きな声を出すために能の稽古をしているうち、能の魅力にとりつかれ、能楽師になった人です。