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子どもクラブ

日本舞踊


おけいこの様子

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おけいこを始める時の挨拶は、大切です。

ご挨拶

 一般の人たちが日本舞踊を学ぶ場合は、各流派によって様々なけいこの仕方があります。決められた曲をひとつずつ学ぶことで、日本舞踊に必要とされる身のこなし、足さばき、小道具の使い方、様々な振りを順々に覚えていくという教授法が中心です。


 通常、けいこは師匠と弟子が一対一で行いますが、中でも一番大切なのはご挨拶です。けいこが始まる時と終わった時、きちんと正座をしてお互いに丁寧なお辞儀をするのです。その際、必ず自分の前に手ぬぐいを縦に4つ、横に2つに折り、その上に大切な扇を置きます。踊りを学ぶ人にとって扇は神聖なもので、日常の空間と神聖な場所とのけじめをつけるという仏教的な意味合いがあると言われています。「日本舞踊のけいこは必ず礼から始まり、礼に終わる」と言われる由縁です。


 河藤由美香さんも、けいこのはじまりには師匠・河藤美鶴さんと向かい合って礼をします。前には手ぬぐいと扇、そして現在けいこで使用している金棒を置きます。


振りうつし

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先生の踊りを真似るようにして踊ります。

 由美香さんは7月の公演に向けて、7分ほどの創作舞踊「お祭り」に取り組んでいます。祭りの情景を折り込んだ長唄(歌舞伎舞踊に使われる三味線音楽)に合わせ、男の踊り、女の踊りが入り交じった難しい曲です。


 けいこがはじまると、師匠が先に立って踊り、その姿を真似るようにして由美香さんも踊ります。金棒を持った若衆姿で舞台下手から登場する部分、金棒を使っての男振りなど、いくつかの情景を細かく区切って、何度もくり返し踊ります。


注意

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歩くときも、目線や足の運びに気をつけます。


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けいこ場の空気も張りつめています。


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鏡で確かめながら、自分の動きを直していきます。

 一通りの動きを覚えたら、次は師匠から様々な注意が飛んできます。


 「目線は下げずに正面を見据えて、人を探すような様子で。歩くときは肩で風を切る様に、粋な感じで」


 冒頭、舞台に登場する場面で美鶴師匠の注意が飛びます。それを聞いて、由美香さんは鏡を確かめながら、自分の動きを直していきます。


 金棒や手ぬぐいの使い方、頭や足の向きなど、細かな部分まで師匠の注意があり、そのたびに由美香さんは同じ振りをくり返し練習。2人きりのけいこ場は熱気でいっぱいです。


通し

 美鶴師匠の後ろ姿を見ながら踊っていた由美香さんも、けいこの後半には1人で踊ってみます。若衆姿で登場したあと、金棒を使った踊り、そのあとお面をつけてひょっとこ、おかめの振りと続き、祭りのにぎわいが少しずつ見えてきます。


 週1回、約40分ほどのけいこ時間はほとんど休憩も取らず集中して踊り続けます。最後の礼でけいこが終わると、由美香さんもホッとひと息です。