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稽古は週1回、夕方7時から行われます。99年の演目は「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」という中世の武士の世界を描いたもので、その中の一幕が演じられます。あらすじをご紹介しましょう。
源頼朝(みなもとのよりとも)から敵の討伐(とうばつ)を命じられたその弟の義経(よしつね)は、討伐に成功しますが、その成功と都(京都)での人気のため、かえって兄から謀反(むほん)の疑いを掛けられ、都落ちせざるを得なくなります。このとき義経の恋人である静御前は、同行を申し出ますが聞き入れられず、途中で無理矢理、置き去りにされてしまいます。恋人を危険な目に遭わせないための義経の配慮でしたが、不運にも、敵の武将である早見藤太(はやみとうた)が家来を連れてそこへ現れます…。
指導者の柴崎さんの三味線に合わせて、通し稽古が始まると、さすがにみな練習を積んでいるだけあって、セリフはスラスラ。すぐに出番のない子は隣の子とお喋りをしたり、ふざけあったりしていますが、自分の番になると、サッと劇の中にとけ込みます。「セリフ覚えているから平気だよ」。
子供たちも上手に切り替えができているようです。もう一人の指導者、今井久男さんは、そんな子供たちを見ながら、ときどき、「静御前、立つのが早い」「藤太はもっとゆっくり話して」などと静かな声で注意を与えています。