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子供歌舞伎の指導者、柴崎好一さん(左)と今井久男さん(右)
家族全員が歌舞伎好きという高橋勉君
子供歌舞伎は、現在、柴崎好一(しばさきよしいち)さんと今井久男(いまいひさお)さんの指導で行われています。99年度の参加メンバーは、小学5年生から中学2年生からまでの10人(うち女子は小学6年の2名)。彼らはおおむね小学3、4年生ころから歌舞伎を始め、中学2年生で引退します。中学3年生になると高校受験を控えて勉強が忙しくなるからです。
参加者のひとり、高橋勉(たかはしつとむ)君(中1)は三人兄弟の末っ子。二人のお兄ちゃんもお父さんも役者として歌舞伎に参加するほどの歌舞伎好きな一家に育ち、勉君は小学2年生から舞台に立っています。勉君は「お兄ちゃんたちの姿を見て、僕もずっとやってみたかった」と言います。
「始めてみたら、予想した以上に歌舞伎は楽しい」と話す山崎洋平君
これが子供歌舞伎に参加している10人です。
その勉君の近所に住む山崎陽平(やまざきようへい)君(中1)は、柴崎さんに誘われて小学3年生から歌舞伎に参加。お母さんは「1年やってみて、興味が持てなかったらやめればいい」と言いましたが、陽平君は「勉君とはずっと友達だし、彼がやっているなら僕もやってみようかなと思った。でもやってみたら面白くて」と話します。
指導者の柴崎さんは「セリフ回し、振り付けを教えるのが一番大変。1時間で終わる演目に、最初の頃は3、4時間かかります」と言います。ところが子供たちは、「セリフにはリズムがあるので、自然に覚えちゃう。もっとセリフの多い役をやりたいなあ」と言う男の子がいるかと思えば、「他人のセリフまで言えるよ」という頼もしい男の子も。
公演は年3回ほどで、毎年春の公演に向けて、前年の11月頃から稽古(けいこ)に入り、1年間は同じ出し物を演じます。小鹿野の子供歌舞伎は、子供用に台本をやさしく書き直したりせず、大人と同じ台本を使っています。従って、セリフには古い日本語がそのまま使われています。
真剣な表情で稽古をする柴崎雅美ちゃん
女の子の柴崎雅美(しばさきまさみ)ちゃん(小6)は、「セリフを言うのは恥ずかしいけど、演技してみたら面白い。今回は静御前(しずかごぜん)という女性の役なのであまり大きな声が出せないのがちょっとイヤ。次回は大きな声の出せる武将のような役をやりたいな」と勇ましい。
続いて「歌舞伎をやっていて良かったと思うことは?」と彼女に聞いてみると、「この前、歌舞伎のことをもっと知りたくなって、自分でいろいろ調べて学校で歴史が得意なお友達に聞いてみたら何も知らなくて、どうだ、エッヘン、すごいだろうという感じ(笑)」。
「歌舞伎をやっていて一番楽しいことは?」とみんなに聞くと、ほとんどの子が「地方公演に参加すると、他の地域の子供たちの演技を見られるから嬉しい」「地方の子と友達にもなれるし」と楽しそうに答えます。