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会場前では、子供たちが太鼓をたたいて盛り上げます。
さて、11月21日。いよいよ舞台の当日がやってきました。この日は日曜日ということもあって、会場の小鹿野文化センターには大勢の人が詰めかけています。会場前ではのぼりがはためき、おでん、やきそば、けんちん汁、地酒などを売る露店が並んでいます。会場入口付近では民俗芸能である秩父太鼓が地元の子供たちの手で「ドンドンドン」と威勢良く鳴り響き、観劇気分を盛り上げています。
舞台裏を訪ねると、子供たちは準備の真っ最中でした。まず一人ずつ化粧係の前に座ると、化粧係が白粉をサッと塗り、目の回りや頬に赤や黒の線を入れてゆきます。1人3分ほどの早業です。
本番前の子供たちです。ゲームをやっている子もいますね。
準備が一段落して、ほっとしているようです。大丈夫?もうすぐ本番だよ?!
次に隣の衣装係の部屋で衣装を着せてもらい、太刀(たち)や甲冑(かっちゅう)などの小道具を身に付けると、今度はかつら係の所へゆき、かつらを頭に被せてもらいます。これで一人前の役者の完成です。武将役の高橋健太(たかはしけんた)君(中2)は「身体が重い、重い」と息をはずませ、静御前役の柴崎雅美ちゃんも「うわ~、かつらが重たいッ」と叫びます。
幕が開くと、700人収容のホールはほぼ満席。早くも観客席からは「義経!」「静!」と声援が飛びます。そして、義経と静の別れの場面になると、もう観客は完全に舞台に引き込まれています。
そこへ、今度はコミカルな役回りの早見藤太が登場し、家来とユーモラスな珍問答を繰り広げると、会場のあちこちから笑い声が。最後は危うく襲われそうになった静を義経の家来が助けて、クライマックスを迎えます。観客からは惜しみない拍手が送られました。
無事演技が終了して舞台挨拶をします。会場からは拍手が巻き起こります。
大役を果たした“小さな名優たち”に感想を求めると、早見藤太役の高橋勉君(中1)は「今日はうまくできたと思う。今日の出来? そうですねえ、100点満点中、99点かな(笑)」。藤太の家来を演じた山崎陽平君(中1)は「今日はお客さんの反応が多くて嬉しかった。やり甲斐がありました」。柴崎雅美ちゃんは「終わりの方、少しタイミング間違えちゃった。でも、いまは終わってホッとしています」。