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とにかく「こねる」練習から
そんな大学校に山口くんを訪ねてみました。案内してくれたのは、成形室。ここでは、こねた粘土をロクロで回して、器などの形を作る実習をしているそうです。
山口くん:「最初にするのは、土こね。こねる時、中に空気が入っちゃうと、焼いたときにひびが入ったり、割れたりするんです」
こねるときに「中が真空になるようにこねる」というのが鉄則らしいのですが、むずかしくないですか?
山口くん:「だいたい土こね3年、といわれているんです」
それを学校では短期間で身に付けるために1日4時間くらい、とにかく土をこねる作業だけを続ける時期があったとか。
山口くん:「まず300回こねて、ひっくり返してまた300回こねる。それが壷を焼くための粘土だったら片方500回はこねないといけないんですよ」。
これが「ハマ」です。
半日、ただただ土をこね続けるなんて、みなさんにはできるでしょうか?
土こねの後に山口くんが勉強したのが、「ハマづくり」。ハマとは、本焼きをするときに焼き物を載せる土台のこと。この土台も自分でロクロを回して作るのです。小さな杯のようなもので簡単な形をしてます。まず、このハマづくりでロクロの使い方をマスターするのです。最初は円の中心をとるのが難しく、なかなかきれいな円形のハマができなかったとか。きれいに中心にとれるようになるまで、1日に400個ものハマを作ることもあったそうです。
卒業制作を手に
山口くん:「ハマづくりは焼き物の基本中の基本なので、とにかく中心がとれるようになるまで作り続けました」
何度も何度も繰り返して練習することで基本を身につけ、それから次の作業に移っていきます。その実習風景を見ていると、一つの焼き物を作るまでの作業は気が遠くなりそうなほどの練習が必要なんだと感心してしまいます。
2年間、みっちり基本を勉強した山口くん。卒業制作では、見事な器を完成させました。