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新幹線


新幹線を可能にした技術

 新幹線の超高速運転を可能にした技術をいくつか挙げると。


[1] 流線形のボディ:時速200キロという高速を実現するには、空気の抵抗をできるだけ抑える必要があります。このため新幹線の先頭車両は、飛行機の形状を取り入れた流線形のボディをしています。


[2] 振動を抑える台車:列車が速度を上げると、車輪が走行中にレールの上で揺れ始めます。この揺れが列車の本体に伝わると、車体が分解してしまう危険があります。新幹線では本体を乗せる台車に空気を圧縮して入れた空気バネを使い、揺れを吸収して本体に伝わらないようにしました。


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カーブをフルスピードで曲がる0系(JR東海)

[3] 幅が広くカーブが緩やかな線路、全線立体交差:新幹線以前の日本の鉄道線路は、世界の標準である広軌(幅1435ミリ)でなく、狭軌(幅1067ミリ)でした。人や物を速く大量に運ぶには広軌が必要というのが多くの人の意見で、新幹線は広軌を採用しました。また、線路のカーブはとても緩やかに作られていてスピードが落ちず、在来線などと交わるところは全線で立体交差式になっています。


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運転席もかっこいい500系(JR西日本)

[4] ATC(自動列車制御装置)の採用:在来線の線路のそばには、道路と同じように信号機が設置されています。しかし、200キロを超える高速で走行中に信号機を読み取ることは非常に難しいため、新幹線の信号機は運転席に取り付けられ、レールに信号を流して制限速度を伝えています。ATCは、信号機が指示する制限速度を自動的に守る仕組みとなっています。また、高速での運転を円滑に行うため、各列車間の安全間隔の確保など全線の運行状態を集中管理するCTC(列車運行集中制御装置)も、新幹線に欠かせない技術です。


 こうした技術に支えられた新幹線は、開業以来大きな事故を起こすことなく営業を続け、99年までの35年間に東海道・山陽、東北、上越、長野を合わせて延べ約56億人もの人を運んでいます。