![オクテトラ](images/001.jpg)
「オクテトラ」 イサム・ノグチ 2011年春に再展示の予定です。
五感を通して芸術にふれる
芸術作品というと難しく感じてしまったり、理解することが難しかったりします。直接自分の目で見ても絵画や彫刻(ちょうこく)の意図を理解することは簡単ではありません。でも、自分の中で想像をふくらませて、何かをつくり出そうという力は、誰もがもともと持っています。芸術作品を見るだけではなく、実際に作品に触(ふ)れたり、遊んだりすることができれば、作品との距離(きょり)が縮まり、子供たちの感性や創造力がどんどん刺激(しげき)されます。日本には、芸術作品を、体全体を使って感じることのできる美術館や美術学校がたくさんあります。
![ネットの森](images/002.jpg)
堀内紀子 ネットの森 おくりもの:未知のポケット2 2009
さまざまな彫刻を豊かな自然の中で楽しめる神奈川県の「箱根彫刻の森美術館」には「プレイスカルプチャー(遊戯彫刻(ゆうぎちょうこく))」と名付けられた遊べる芸術作品がいくつもあります。そのひとつ、「おくりもの(ネットの森)」は、造形作家と建築家のコラボレーション作品です。建物には日本に昔からある木組みの技術を使っています。その中には、手編みの色鮮(いろあざ)やかなネットが、巨大(きょだい)なハンモックのように広がっています。ネットの上に登ると、木組みの間から空や緑が見え、さわやかな風を体に感じます。ネットの色を使って、鬼(おに)ごっこの遊びもできます。ネットの下にはネットでつくられた丸い玉が、ブランコのようにぶら下がっていて、子供たちが揺(ゆ)られながら歓声(かんせい)をあげています。遊びながら全身を使うことで、色彩感覚(しきさいかんかく)やバランス感覚が養えるのです。
![ネットの森](images/003.jpg)
堀内紀子 ネットの森 おくりもの:未知のポケット2 2009