とてもすばらしいシールドマシンですが、一つ苦手なことがあります。それは方向転換(ほうこうてんかん)です。以前は、まず垂直の通路(縦の穴)の穴をきちんと完成させてから、シールドマシンを穴の中に入れて、それから水平に穴(横の穴)を掘り進める必要がありました。この縦の穴を掘るのにも、たくさんの時間とお金がかかりました。
球体シールドマシン。(C)大成建設株式会社
そこで開発されたのが、球体(きゅうたい)シールドマシンです。この機械の中には、先端にカッターを備え付けた球体が入っています。その球体が回転できるように設計(せっけい)されているため、まさにもぐらのように直角に方向を変えることができるのです。球体シールドマシンは、地上から掘り始め、自分が通る垂直の通路をつくってから、90度回転し、そのまま横の穴を掘り続けることができます。この方法により、パイプや他のトンネルや、すでに建っている建物の地下部分などを避けることも簡単にできるようになりました。
縦の穴を掘り進んだ球体シールドマシンは球体を90度回転させ、そのまま横の穴を掘ることができます。
トルコのボスポラス海峡の地下鉄工事でもシールドマシンが使われています。(C)大成建設株式会社
日本のシールドマシンは世界で活躍しています。フランスとイギリスの間にあるドーバー海峡(かいきょう)を結びましたし、現在、トルコのボスポラス海峡の下を通る地下鉄を作るのにも使われています。
(2010年8月更新)