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ハイテクジャパン

すばる望遠鏡


「すばる」ってどんな望遠鏡?

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IRCS分光装置(国立天文台)

 「すばる」は目に見える光(可視光)だけでなく、天体からやってくる光をプリズムのように分解して観測する分光観測や、全ての天体が発している赤外線を観測する赤外線観測など、7種類の観測装置を備えています。その分解能力は東京から約100キロメートル離れている富士山の山頂にあるピンポン球が見分けられるほど高く、地球から約50億光年(1光年=光が1年に進む距離で表わされる単位)と、途方もなく遠く離れたところにある未知の銀河団もとらえられます。


 ビッグバン(大爆発)によって百数十億年前に誕生した宇宙は、今も膨張し続けており、初期にできた遠い天体ほど早いスピードで遠ざかってゆきます。こうした天体をとらえるには、「すばる」の赤外線観測が威力を発揮します。


画像

「すばる」は銀河の周囲に広がる超巨大ガス雲を発見しました。(国立天文台)

 これまでに、銀河の周囲に大きさが約11万光年もある水素のガス雲の発見や、宇宙が誕生した頃生まれた銀河の姿を捉えるのに成功しています。2001年5月の発表では、銀河の放つ光のほぼ95%をとらえ、星や銀河以外の未知の光が宇宙に存在する可能性を示すなど、すばる望遠鏡での観測は宇宙の構造を明らかにする数々の発見をもたらしてきました。