ロボットの技術も応用
![身体を傾けて体重移動するだけで運転できる本田技研工業の「UNI-CUB(ユニ・カブ)」](images/003.jpg)
身体を傾けて体重移動するだけで運転できる本田技研工業の「UNI-CUB(ユニ・カブ)」
![本田技研工業が開発した二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」](images/004.jpg)
本田技研工業が開発した二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」
日本のロボット技術を応用したパーソナルモビリティも発表されています。別の自動車メーカーが試作した1人乗りの車は、椅子に腰掛けるように乗る独特のデザインで、前後はもちろん、斜めやその場での旋回、真横への移動など自由自在にできます。
座っているだけなのに、どうやって操作するのかと思うかもしれませんが、実はこのメーカーは、2足歩行ロボットを開発していて、ロボットが歩く時のバランスを取る技術を応用しています。乗っている人が身体を傾けると、その方向に動くのですが、そのバランスを取るのがロボットでのバランス制御技術なのです。最高速度は6??で、空港や図書館などたくさんの人が行き交う屋内での利用が考えられています。
これらの車は、まだ試作段階ですが、新しい移動手段として近い将来、実用化されるでしょう。
高齢者も安心して外出
![都市型4輪セニアカー「タウンカート」に乗ったまま買い物することもできる](images/005.jpg)
都市型4輪セニアカー「タウンカート」に乗ったまま買い物することもできる (©スズキ)
![「タウンカート」に乗ったまま新幹線に乗車することもできる](images/006.jpg)
「タウンカート」に乗ったまま新幹線に乗車することもできる (©スズキ)
すでに実際に使われているパーソナルモビリティもあります。医療機関から、身体に障害がある人が安全に移動できる乗り物がほしい、と依頼された自動車メーカーが開発したのが1人乗りの「セニアカー」です。4輪の電動スクーターのような形ですが、最高速度は時速6??。日本の法律では歩行者として扱われ、1回の充電で33??走れます。
高齢者が利用することが多いため、アクセルレバーを引けば進み、離せば止まるというように簡単に操作できます。危険を感じた時に思わずレバーを引いてしまっても、自動的に止まります。このため、高齢者や身体に障害がある人でも安心して近所のスーパーマーケットに買い物に出掛けたり、友達に会いに行ったりすることができるようになりました。歩行者と同じですから、そのまま電車に乗ることもできます。
こうしたパーソナルモビリティは、日本の街を大きく変える可能性があります。遠くに出掛けるときは自動車、近くに行く時は、高齢者でも若者でも、1人1人が自分に合ったパーソナルモビリティでどこへでも手軽に移動する。日本では、より便利な社会がもうすぐそこまで来ています
(2012年9月更新)