環境にやさしくて、パワフル
電気自動車の弱点をこくふくするために、バッテリーやモーターの性能を飛躍的に高める技術革新が行われました。なかでも、ネオジムという物質を使った、少ないエネルギーで強力なパワーを発揮するモーターと、約2倍ものエネルギーを保持できる高性能のリチウムイオンバッテリーは、電気自動車が普及するうえで、大きな役割を果たします。その開発の中心となったのが、日本の科学者や技術者でした。
![「リーフ」のバッテリーパック(左)とモーター(右)](images/003.jpg)
左/「リーフ」のバッテリーパック。小さくて大容量のリチウムイオンセルを使うことで、これまでにないエネルギーを貯蔵できるようになった
右/リチウムイオンバッテリーの電気を、モーターが効率よくエネルギーに変える
©日産自動車
![ボンネットにモーター、椅子の下にバッテリーパックを搭載。2つはコードでつながっている](images/004.jpg)
ボンネットにモーター、椅子の下にバッテリーパックを搭載。2つはコードでつながっている
©日産自動車
![電源盤につながったスポットの上に停車すると、車に組み込まれたコイルが反応して電磁エネルギーが発生し、電気エネルギーに変換され充電される](images/005.jpg)
電源盤につながったスポットの上に停車すると、車に組み込まれたコイルが反応して電磁エネルギーが発生し、電気エネルギーに変換され充電される ©昭和飛行機工業
技術革新のおかげで、環境にやさしく、パワフルとなった電気自動車ですが、もっと広まるには、電気を気軽に充電できることが必要です。現在、「ガソリンスタンド」に代わる「充電スタンド」の設置が進められていますが、興味深い試みも行われています。2010年に昭和飛行機工業は、「充電スポット」の上に停車するだけで充電ができるマイクロバスを実用化したのです。これは、非接触給電(ワイヤレス給電)という技術を応用したもので、コードでつないだり金属の接点を合わせたりしなくても、「スポット」の上に停車しただけで車体へ電気を送ることができるのです。
走行音が小さく静かなのも、電気自動車の大きな魅力。古くて新しい電気自動車の時代が、静かにやってきているようです。
(2012年3月更新)