プロの腕前に迫るコンパクトデジカメ
縦方向のぶれだけを補正する機能を使えば、周りの風景が流れているように撮影する高度なテクニックも自分のものにできる ©キヤノン:CANON
夜景や花火など撮影するシーンに応じてシャッター速度やフラッシュの点灯を自動で調整したり、ビデオカメラと変わらないフルハイビジョンの動画(どうが)を撮影したりする機能は、今では小さなコンパクトデジカメでも当たり前に備わっています。
ユニークな機能として女性に人気なのは「美肌モード」です。カメラが自動的に画質を調整して、シミやシワが目立たない明るく滑らかな肌に補正してくれます。その上、撮影した後に、目の大きさや輝きを変えたり、唇やチーク、アイシャドウの色を変えたりすることができるカメラもあります。いろいろな色を試しながら、自分のイメージに合った楽しいポートレートが残せそうです。
風景がまるで模型のように写るミニチュア効果
©ニコン:NIKON
ゆがんだアップがコミカルな魚眼レンズ風にも撮れる ©キヤノン:CANON
スポーツや動物の素早い動きを撮影するため、1秒間に60コマ連写できるカメラや、カメラを向けてシャッターボタンを半押しするだけで、実際にシャッターを押す前後の画像を最大30枚も撮影してくれる機能が付いたカメラもあります。これらの機能があれば、一瞬のシャッターチャンスを逃すこともなくなるでしょう。
このほか、プロのカメラマンの作品作りがまねできる機能も魅力的(みりょくてき)です。モノクロやセピア色の写真、ミニチュア模型のようなかわいい雰囲気で景色を写せるジオラマ写真、魚の眼で見たように球形にゆがんだアップが面白い写真、パステルカラーを強調したポップアート写真など、日本のメーカーがデジカメ用に開発したユニークな撮影効果は、約30種類にも達しており、そのどれもが専門知識や技術を必要とせず、ボタンひとつで可能なのです。
小さくても本格的なミラーレス
コンパクトサイズだけれども本格的な一眼レフカメラ並みの機能を備えたミラーレス一眼カメラが、2008年に日本のメーカーから売り出され、カメラの世界がさらに広がろうとしています。
コンパクトカメラ並みに薄型ながら、本格一眼レフカメラ用の交換レンズも装着できるミラーレス一眼レフカメラ ©キヤノン:CANON
普通の一眼レフカメラは、撮影しようとする画像をレンズの後ろの反射鏡(はんしゃきょう)を通して確認しますが、ミラーレス一眼カメラは、反射鏡なしに画像を確認できる仕組みを取り入れて、高機能カメラの小型軽量化を実現しました。一眼レフカメラのように、望遠や接写(せっしゃ)用のレンズ交換ができて、より質の高い写真を撮ることができるようになったのです。
これまでは一眼カメラを趣味とするのは年配の男性が多かったのですが、軽くて持ち運びに便利なミラーレスカメラの登場により、日本では、女性がカメラを持ち歩いて、旅先や日常の風景を撮影して楽しむ「カメラ女子」のブームが起きています。
さまざまな最新機能が盛り込まれた日本のデジカメは、世界で最も多く販売されています。今後も驚くような新しい機能が開発され、日本だけでなく世界的に人気を博することでしょう。
(2012年11月更新)