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ハイテクジャパン

泳げ!カプセル内視鏡


パート1

内視鏡で胃や腸の中を、手軽に、自由自在に調べたい

 近年、胃や腸のがんの早期発見のために、大きな力となっているのが内視鏡検査です。内視鏡は先端に超小型のカメラとライトを取り付けたやわらかい管の装置で、口やお尻の穴から入れて、胃や腸の内側の様子を画面に映し出します。


自走式カプセル内視鏡

自走式カプセル内視鏡。右のひれの中央部分には永久磁石がついている

 ただ、検査の間、たとえば口から内視鏡の管を飲みこんだまま長時間横たわっているのは決して楽ではありません。そのため10年ほど前には、カメラやライトなどが入った小さなカプセルが、移動しながら小腸の中を撮影していく「カプセル内視鏡」が登場してきました。直径10?、長さ20?ほどと、薬のカプセルよりだいぶ太くて大きいのですが、一度飲みこんでしまえばあとはカプセルが移動していくのを待つだけです。所要時間は最低でも10数時間かかりますが、検査は苦しくなくなりました。


自走式カプセル内視鏡。ひれが特徴的

自走式カプセル内視鏡。ひれが特徴的

 それでも、カプセル内視鏡にはひとつ大きな問題がありました。カプセルの動きは自然まかせで、向きなども変えられないため、医師がここをもう一回見たい、もっと右側や上の方を見たいと思っても見られないのです。そこでさまざまな改良が試みられてきましたが、2011年、日本で、胃や腸の中をどの方向でも自由自在に見ることができるカプセル内視鏡が発表されました。


 龍谷大学の大塚尚武名誉教授を中心に開発され、現在は株式会社ミューが開発を引き継いでいる「自走式カプセル内視鏡」です。