新しいカメラの原理
![軸対称自由曲面レンズ](images/006.jpg)
軸対称自由曲面レンズ
![軸対称自由曲面レンズ](images/007.gif)
従来のカメラは物体が反射した光を、レンズを使って1カ所に集めて、記録しています。
レンズには凹型(おうがた)や凸型(とつがた)などさまざまな種類があります。その組み合わせを変えることで、遠くを撮影できる望遠レンズや、広い範囲(はんい)を撮影できる広角レンズなど使う目的にあわせたレンズを作っています。「魚眼レンズ」と呼ばれるレンズにはとても広い範囲を撮影できる超広角(ちょうこうかく)レンズもあります。それでも、180度ぐらいを撮影するのが限界でした。
今回、新たに開発されたレンズは新しい考え方で設計されています。いわば、光の方向を変えるプリズムとレンズの働きを融合させたレンズで、360度の光を反射させ一つに集めます。
「軸対称(じくたいしょう)自由曲面レンズ」と呼ばれるレンズで、コマのような形をしています。大きさは直径6cmです。レンズの上部から360度の光が入ってきます。つまり家やビルなど周囲水平360度、垂直180度、目に見えるすべての物体から反射した光が入ってくるのです。その光はレンズの中を通り、レンズの下の部分(1)に到達(とうたつ)します。この部分は特別な曲面に設計されていて、360度から入って来た光を、プリズムのように反射させて上部(2)に集めます。光は (2) でさらに反射し、1枚の写真になるのです。
(2010年10月更新)