
子どもたちは期待に胸をふくらませて、おいしい給食の時間を待ち望んでいます。© 栄養教諭・西村香苗 © 岡山県新見市立新見学校給食センター
日本の小・中学校で出される「給食」は、子どもたちの毎日のお楽しみです。昨日は鶏(とり)のからあげ、今日は温かい麺(めん)、明日は煮魚(にざかな)というようにメニューは日がわり。毎日、とてもおいしい料理をクラスの仲間と一緒(いっしょ)に食べることができます。みなさんも食べてみたいと思いませんか?
栄養満点でおいしい! 一番楽しい給食の時間
「キーンコーンカーンコーン」。午前の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると、待ちに待った給食の時間です。白い割烹着(かっぽうぎ)(和風のエプロン)を着た当番の子どもたちがクラスメイトに給食を配膳(はいぜん)します。お皿の中に好きな料理を見つけると、思わず喜びの声を上げる子もいます。そして、「いただきます!」のかけ声とともに、先生と子どもたちが全員で同じメニューを食べるのです。

給食の時間になると、白い割烹着(かっぽうぎ)を着た子どもたちが配膳(はいぜん)します。© 大森みつえ © 東京都小平市立小平第6小学校
給食の始まりは今から120年ほど前、お弁当を持ってこられない子どものために、学校が昼ごはんを用意したことがきっかけだといわれています。そこからだんだんと広まり、今では多くの学校で出されるようになりました。
給食の良いところは2つあります。1つめは、子どもたちの成長を助ける栄養がたくさんふくまれていること。時々、給食の献立(こんだて)を考える栄養士さんが教室にやってきて、栄養について解説してくれます。子どもたちはそれを聞いて、栄養バランスの大切さを学びます。

栄養士さんが、給食の栄養素について解説をしてくれることもあります。© 栄養教諭・西村香苗 © 岡山県新見市立新見学校給食センター
次に給食の良いところの2つめは、とてもおいしいこと! 地元の農家でとれた野菜など、新鮮(しんせん)な食材を多く使っていることが、おいしさの秘密です。子どもたちは毎日「今日のメニューはなんだろう?」とワクワクしながら、給食の時間を待っています。ではみなさんに、子どもたちに人気の給食メニューを紹介(しょうかい)しましょう。
子どもたちは、和食やカレーライスが大好物!
古くから日本に伝わる和食をはじめ、洋食や世界各国の料理など、メニューは実にさまざまです。給食はたいてい、白米に主菜、副菜、汁物(しるもの)がセットになっていて、デザートと牛乳がそえられています。子どもたちが好きな和食といえば、焼き魚や肉と野菜の煮物(にもの)など。「どんなおかずにも合うから、ぼくは白いごはんが大好き」と話す子もいます。

ごはん、みそしる、焼き魚のような和食メニューは、おいしくて栄養が抜群(ばつぐん)。© 香川県高松市立国分寺中学校 © 学校給食甲子園
洋食の中で大人気のメニューは、カレーライスです。カレーは、元々はインドの料理でとてもからいのですが、給食で出されるカレーは日本人の子どもが好む甘口(あまくち)の味です。ある子は、「カレーの日は、みんながおかわりするんだ。おなかいっぱいになるから、午後の授業もがんばれるよ」と話してくれました。ほかにも、ラーメンやスパゲティといった麺類(めんるい)やハンバーグも根強い人気があります。

甘口(あまくち)のカレーライスは、日本の子どもたちに人気のメニューです。© 栄養教諭・西村香苗 © 岡山県新見市立新見学校給食センター
争奪戦(そうだつせん)が起こる、特別なデザートの日

※日本の「Rock-Paper-Scissors」のこと。岩の“グー”、紙の“パー”、ハサミの“チョキ”の3種類の指の出し方で勝敗を決める。グーはチョキに、チョキはパーに、パーはグーに勝つ。
さて、クラスの雰囲気(ふんいき)がいつもより明るくなるのは、年に数回だけの特別なデザートが出される日です。例えば、子どもたちの大好物であるあまいフルーツ。春はイチゴ、夏はスイカ、秋はカキやブドウ、冬はリンゴなどがありますが、特に秋は収穫(しゅうかく)の季節なのでいろいろな種類のフルーツを楽しめます。給食でフルーツが余ると、子どもたちはジャンケン(※)をしてうばい合います。
さらに、季節の行事にちなんだおかしが出されると、子どもたちの気持ちは最高に高まります。例えば、日本では3月に女の子の成長と幸せを願う「ひなまつり」という行事があります。女の子がいる家庭では、家に人形をかざって赤・白・緑の3色の「菱餅(ひしもち)」を食べますが、それにならって給食にも菱餅が登場します。男の子は自宅で菱餅を食べる機会がほとんどないので、みんなめずらしがって食べています。

3月のひなまつりで食べるひし形のおかし「菱餅(ひしもち)」は、給食にも登場します。© 栄養教諭・西村香苗 © 岡山県新見市立新見学校給食センター
また、12月のクリスマス直前になると、かわいらしい箱に入ったケーキを出す学校もあります。このケーキを食べると、クリスマスをウキウキと心待ちにする気持ちがいっそう盛り上がるのです。

12月のクリスマスの直前には、クリスマスケーキも出されます。© 栄養教諭・西村香苗 © 岡山県新見市立新見学校給食センター
みんなでワイワイとおしゃべりをしながら食べる給食。大好きなメニューや季節限定のデザートをきっかけに友だちと会話がはずみ、仲良くなることもあるんですよ。みなさんは、どの給食を食べてみたくなりましたか?

みんなで仲良くおしゃべりをしながら、給食を食べます。©福井県福井市社南小学校
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