
「旭川冬まつり」会場に設けられた滑り台で元気に遊ぶ子どもたち(C)共同通信社
日本の北部には、冬になると雪がたくさん降る地域があります。大雪は、道や線路をふさいで交通を妨げたりもしますが、雪国の生活はそんな厳しいことばかりではありません。まちや野原を一面の銀世界に変えてしまう雪は、人々の手によって美しい雪の像や、楽しい遊び場に変わり、大好きな「雪祭り」が開幕するのです。
日本最大の雪祭り

大勢の観光客でにぎわう北海道札幌市の「さっぽろ雪まつり」会場(C)共同通信社

「さっぽろ雪まつり」の期間中、ライトアップが美しい札幌市の大通り(C)HBC
雪をテーマに繰り広げられる日本最大のお祭りといえば、日本で最も北にある地方の北海道で毎年開かれている「さっぽろ雪まつり」です。札幌市の中央に1.5㌔ほど続く大通公園には、高さが十数㍍もある大きな雪の像や、美しい氷の像が並び、夜も光で照らし出されます。1950年に地元の中学生と高校生が6つの雪像をつくったことをきっかけに始まった小さなイベントが、今では7日間で毎年国内外から200万人もの観光客が訪れる大イベントとして知られるようになりました。
主要な会場の一つは、子どもたちがさまざまな雪遊びを体験できる遊園地ゾーンになっています。ここでは、タイヤチューブに乗って高さ10㍍の雪の丘の上から、100㍍ほど滑り降りる巨大滑り台が大人気です。ほかにもスノーモービルにつながれたラフティングボートに乗って雪原を走り回るアトラクションや、地元の遊びとして古くから伝わる竹スキー滑りの体験など、雪国ならではの楽しい遊びがいっぱいです。
ギネス記録持つ巨大雪像
同じ北海道の旭川市では、高さが20㍍近くある巨大雪像が名物となっている「旭川冬まつり」が開かれます。「世界最大の雪の建造物」としてギネスブックにも記録が認定されたことがある雪像は毎年、骨組みを使わずに雪だけを固めてつくられます。道路に積もってじゃまな雪を集めて有効利用するなど、環境にやさしい取り組みとしても知られています。

「旭川冬まつり」の名物となっている巨大雪像。映画やアニメで人気のキャラクター「トランスフォーマー」が2012年から3年連続で雪像のデザインとなり、夜に開かれる音と光のショーが大きな見どころとなっている(C)TOMMY
会場に行くと、市民が手作りしたたくさんの雪だるまが出迎えてくれます。氷でつくる彫刻の技を競う世界大会も開かれ、夜には、色鮮やかなライトアップの風景が楽しめます。もちろん、雪の滑り台など、さまざまな雪遊びはもちろん、イベントも盛りだくさんです。

参加者がつくって会場に並べた小さな雪だるま(C)共同通信社