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流行通信

食玩―広がる小さなおもちゃの世界


パート1

アニメ化もされている人気漫画「ワンピース」のキャラクターを本物そっくりに作ったバンダイの食玩シリーズの一つ「エピソード オブ キャラクターズ」のフィギュア(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

アニメ化もされている人気漫画「ワンピース」のキャラクターを本物そっくりに作ったバンダイの食玩シリーズの一つ「エピソード オブ キャラクターズ」のフィギュア(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション


 日本のスーパーマーケットに行くと、お菓子売り場の一角に、おもちゃとお菓子がセットで売られている子どもたちに人気のコーナーがあります。この小箱の中身こそ、お小遣いで手軽に買えることができる小さなおもちゃ「食玩(しょくがん)」です。食玩は「食品玩具」という日本語を短く縮めたことばですが、海外でもそのままの呼び名で知られています。人気アニメのキャラクターをはじめ、動物、恐竜、乗り物、ロボットなど、一つ一つ丁寧(ていねい)に作られたおもちゃが入った小箱には、製作した職人の優れた技術や、ユニークなアイデアがたくさん詰め込まれています。


アニメヒーローが飛び出す

スマートフォン用の人気ゲームから生まれたキャラクター「なめこ」のフィギュアが入ったガム(C) Beeworks/SUCCESS

スマートフォン用の人気ゲームから生まれたキャラクター「なめこ」のフィギュアが入ったガム(C) Beeworks/SUCCESS


 おまけのおもちゃが欲しくて、お菓子やシリアルを買ったことはありますか? そうした食品のおまけから生まれた日本の食玩の特徴は、どちらかというと食べ物よりもおもちゃの方が商品の“主役”となっているところです。ほとんどの箱の中には、チョコレートやラムネが少しだけしか入っていません。最初にお菓子売り場におもちゃを並べようと考えた日本の会社は「大きなおもちゃは、クリスマスや誕生日にしか買ってもらえないけれど、数百円のお小遣いで気軽に買える菓子と一緒なら、子どもたちがおもちゃをもっと身近に感じられるはず」と考えたそうです。


今にも動き出しそうな恐竜の食玩フィギュア

今にも動き出しそうな恐竜の食玩フィギュア

 子どもたちに人気の食玩シリーズとして一番に挙がるのは、漫画やアニメ、ゲームなどに登場するヒーローやヒロインなどキャラクターもののフィギュアがほとんどです。箱から出した人形たちの立体的な表情やポーズは、まるでテレビの画面から飛び出してきたように生き生きとしています。


1セットのパーツで文字と動物の両方を楽しめるアイデア食玩「超変換!!もじバケる」。「竜」は「恐竜」から、「獅」はライオンを表す「獅子」から一文字を取ってデザインした(C)バンダイ

1セットのパーツで文字と動物の両方を楽しめるアイデア食玩「超変換!!もじバケる」。「竜」は「恐竜」から、「獅」はライオンを表す「獅子」から一文字を取ってデザインした(C)バンダイ

 一方で、キャラクターもの以外にも、ユニークなアイデアで楽しませてくれる食玩があります。2010年に登場した「超変換!!もじバケる」は、箱に入った小さなパーツを組み立てると動物の形になったり、その動物の名前を意味する文字になったりする人気シリーズです。「竜(dragon)」や「獅(lion)」といった難しい文字もあり、その独創的(どくそうてき)なデザインは、海外の人にも評価されていて、ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品(えいきゅうしゅうぞうひん)にも認定されています。「文字の勉強に興味を持つきっかけになるから」と、お父さんやお母さんも喜んで買ってくれます。


合格祈願の絵馬が付いたグリコのキャラメル(C)江崎グリコ

合格祈願の絵馬が付いたグリコのキャラメル(C)江崎グリコ

 進学前に神社で受験の合格をお祈りした時に受け取る「絵馬(えま)」をキャラメルとセットで売り出しているお菓子メーカーもあります。