
ドライアイスの白い煙がもくもくと吹き出て楽しい機関車のお子様ランチ。食事の途中で煙が出なくなったら、ドライアイスのおかわりができる(三越・ランドマーク)
レストランで注文するメニューに迷ったことはありませんか。日本には、子どもたちが迷わずに注文する大人気のメニューがあります。それは「お子様ランチ」です。車や列車など、楽しいかたちをした特別なお皿に、ハンバーグやエビフライ、甘いプリンや果物など、好物ばかりが、楽しく栄養たっぷりに盛りつけられた、子どもたち専用の特別メニューです。
ジャングルを走る機関車
日本の首都・東京の都心にあるデパートのレストランで、親子連れのテーブルにお子様ランチが運ばれてきました。ハンバーグやエビフライなど、子どもたちの大好物がにぎやかに盛りつけられたお皿は、真っ赤な機関車の形をしていて、煙突から煙をもくもくと吹き出しています。煙の秘密は、煙突の下に仕掛けられたドライアイスです。お皿の下に敷かれた紙製のランチョンマットを点線にそって折りたためば、キリンや象、ライオンなどの動物が立ち上がり“飛び出す絵本”が完成です。ジャングルの中を走る機関車を思い浮かべながら、いつの間にか子どもたちのお腹はいっぱいになります。
あこがれの食事

日本で最初のお子さまランチを再現したデパート「三越」の「お子様洋食」
このデパートのレストランでは、1930年に日本で最初のお子様ランチが作られました。絵入りの新しいお皿を見たスタッフが「子どもたちだけが食べられる美味しくて楽しい献立(こんだて)を作りたい」と考えついたのが始まりでした。コロッケ、スパゲッティ、サンドイッチ、ハム、甘いボンボンといった、子どもたちの好物ばかりが少しずつ盛りつけられ、お皿の中央に日本一高い山として知られる富士山をかたどったご飯が、かっこよくそびえています。山のてっぺんには登頂記念のように旗が立てられました。新メニューははじめ「お子様洋食」と名付けられました。
当時の日本は、まだ冷蔵庫が売られ始めた頃です。シチューやカレーといった洋食も少しはありましたが、家庭で食べる食事は、ご飯に焼き魚といった伝統的な和食がほとんどでした。子ども向けの珍しい洋風メニューは、たちまち日本の子どもたちのあこがれの食事となりました。

大好物を乗せて走り出しそうな新幹線のお皿
このアイデアは、日本中に広がり、80年以上経った今では、デパートのレストランでお子様ランチを置いていないお店は、ほとんどありません。駅にあるレストランでは新幹線の形をしたお皿、水族館のレストランではイルカの絵入りのお皿、というように、お店によって、お皿の形もユニークなものが次々と登場しています。おもちゃなどのおまけがついているお子様ランチもあり、レストランはいつも、子どもたちの笑顔があふれています。
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