エコにも配慮
![通勤バッグにも入る2段重ねの弁当箱](images/bento05.jpg)
通勤バッグにも入る2段重ねの弁当箱 © MOTTAINAI
弁当好きの日本人ですから弁当箱にもこだわり、かわいいものや機能性があるものが増えています。例えば、かばんに入れられるような細い弁当箱。幅は7㌢ぐらいしかありませんが、2段重ねになっています。これなら細身のかばんにすっぽり入れることができます。これには、夏でも食べ物が傷(いた)まないように保冷剤を入れることもできます。
また、弁当とはいえ環境にも配慮(はいりょ)するのが日本人です。おかずを小分けするカップはアルミ製がよく使われますが、最近は昆布やノリなどで作った「食べられるカップ」が人気です。カップがごみとならないので環境を大事にする日本人に好まれています。ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんの提唱するMOTTAINAIキャンペーンに賛同 し、環境に優しい弁当箱もあります。売り上げの一部は植林活動に寄付されます。
![]() © felissimo |
![]() |
作りたての味わい
ご飯が一番おいしいのは炊(た)きたてですが、そんな炊きたてのご飯を食べることができる弁当箱もあります。直径約15㌢、高さ約25㌢の筒状の弁当箱で、中は小さな炊飯器が入っています。ふたを閉めて電気のスイッチを入れると35分ほどでごはんが炊き上がります。この小型炊飯器の上にはおかずを入れる容器が二つ載っていて、ご飯を炊く際に出る蒸気でおかずを温める仕組みになっています。
![ご飯が炊ける機能がついた弁当箱。炊きたてご飯に、おかずも温かい](images/bento08.jpg)
ご飯が炊ける機能がついた弁当箱。炊きたてご飯に、おかずも温かい
![保温ができる弁当箱でぬくぬくのランチタイム](images/bento09.jpg)
保温ができる弁当箱でぬくぬくのランチタイム (Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv, 1953-2013 www.miffy.com.)
ご飯を炊くのは難しいが、それでも温かいご飯を食べたいと言う人には、保温ができる弁当箱もあります。容器はステンレス製で熱が逃げないよう真空断熱層を備えた魔法瓶(まほうびん)構造になっています。スープなども温かいまま飲めるので、寒い時期でも身体が温まります。
弁当の日
子どもが食べるお弁当は親が作ることが普通ですが、日本の小学校では子どもが自分で作ったお弁当を学校に持っていく「弁当の日」を設ける学校がたくさんあります。その日は、いつもの給食は出さずに、子どもが台所に立って、包丁などを使って一人で作った弁当を学校で食べます。弁当を自分で作ればお弁当作りの大変さを知り、親への感謝(かんしゃ)の気持ちが自然に生まれます。
![「弁当の日」に自分で作ったお弁当を見せ合う子どもたち](images/bento10.jpg)
「弁当の日」に自分で作ったお弁当を見せ合う子どもたち
弁当の日が普及するにつれ、最近は子どもが弁当を作るためのレシピ本もたくさん売られています。レシピ本を見ながら、一人でつくったお弁当を親にプレゼントする子どももいます。
弁当は日本人の生活に根付き、誰もが弁当の思い出を持っています。学校の受験会場で開けた弁当箱に「頑張れ」とのメッセージを親が書いてくれることも珍しくありません。親の愛情たっぷりのお弁当は、日本人が大切にしている、人に感謝する気持ちも育てるのです。
(2013年2月更新)