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流行通信

大音量とパフォーマンス:和太鼓


パート2

脳の働きを活性化

 日本には、子どもたちが和太鼓の面白さに触れるチャンスがたくさんあります。地域のお祭りでの太鼓チームの活動、学校での授業、文化祭や運動会でのステージ発表などです。まちの太鼓教室も増えていて、誰でも気軽に習えるようになりました。


お祭りの山車(だし)に乗って元気良く太鼓をたたく子どもたち お祭りの山車(だし)に乗って元気良く太鼓をたたく子どもたち © 熊谷市 運動会で太鼓演奏する子どもたち。写真の和太鼓は、胴部分が薄い「平太鼓(ひらだいこ)」で、軽い音が出る(川崎市で) 運動会で太鼓演奏する子どもたち。写真の和太鼓は、胴部分が薄い「平太鼓(ひらだいこ)」で、軽い音が出る(川崎市で)

体力づくりにも役立つ和太鼓教室。姿勢良くたたくため、楽譜は使わず、口伝えで曲を覚える

体力づくりにも役立つ和太鼓教室。姿勢良くたたくため、楽譜は使わず、口伝えで曲を覚える © TAIKO-LAB

 太鼓を思いっきりたたくと、気分がすっきりしたり、脳の働きを活発にする効果があったりすることが科学的に確かめられていることから、健康作りとして挑戦する人たちもいます。東京都内の和太鼓教室が、太鼓をたたきながらステップを踏むエアロビクスのような運動を開発したところ、大きな反響を呼びました。


ゲームセンターで太鼓ゲームを楽しむ子どもたち。写真はバンダイナムコゲームスの「太鼓の達人」※NAMCO BANDAI Games Inc.

ゲームセンターで太鼓ゲームを楽しむ子どもたち。写真はバンダイナムコゲームスの「太鼓の達人」※NAMCO BANDAI Games Inc.

 また、人気の和太鼓は、ゲームにもなっています。画面に映し出される楽譜通りに太鼓をたたくゲームで、ゲームセンター用のゲーム機をはじめ、家庭用ゲーム機用のソフトや携帯電話機用アプリがあります。最新の曲が次々と太鼓の譜面になって登場するので、大人も子どもも、カラオケのような感覚でリズムを楽しんでいます。


迫力のステージ

 埼玉県さいたま市で11月、和太鼓演奏の日本一を競う大イベント「太鼓祭」がありました。小学生以下のジュニアの部のコンクールが初めて開かれ、地方予選を通過した6組の子どもたちが見せた大人顔負けのステージ演奏は、会場に詰め掛けた3,500人を驚かせました。


飛びはねながら長胴太鼓を乱れ打つ小学生のチーム(「太鼓祭」で)

飛びはねながら長胴太鼓を乱れ打つ小学生のチーム(「太鼓祭」で)

 和太鼓の面白さは、大きな音やリズムだけではありません。舞台上を彩(いろど)る華やかな衣装や、派手なパフォーマンスも見どころです。子どもたちが飛びはねながら代わる代わる長胴太鼓を乱れ打つ動きは、息をのむ激しさです。中には伝統の舞踊の型を取り入れたり、演奏途中に衣装を脱ぎ捨てたりするチームもありました。演奏が終わって、かっこよくポーズを決めた後、一斉に観客に礼をするきびきびとした姿は、まるで武道の試合後のようなすがすがしさを感じさせます。


 太鼓祭に出場したそれぞれのチームの子どもたちは、厳しい練習に励み、地域のお祭りやイベント、福祉施設での演奏などで経験を重ねながら、力をつけてきたそうです。年間50回近くステージをこなしているというチームのリーダーは「2時間を超す練習を週3回ぐらいしています。いつか、自分の演奏を世界中のステージで披露したい」と話していました。


チームが心を一つにしてステージをやり終えた時の感動が、一生の思い出となる(「太鼓祭」で)

チームが心を一つにしてステージをやり終えた時の感動が、一生の思い出となる(「太鼓祭」で)

 日本の太鼓は、時代の変化を正面から受け止めながら、しっかりと次の世代に受け継がれているのです。


(2012年12月更新)