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流行通信

アニメテーマパークは子どもたちの夢の場所


パート2

アニメの家で楽しむ

 日本を代表する長編アニメ映画に「となりのトトロ」があります。このアニメは1955―65年ごろの日本の田園地帯が舞台で、小学生のサツキとメイという姉妹が出会った森の不思議な生き物「トトロ」との触れ合いを描いています。子どもだけに見えるトトロは、木を瞬く間に大きく成長させたり、回るこまの上に乗り自由に空を飛んだりすることができます。迷子になったメイを探す手助けもしてくれます。


 となりのトトロは、コンピューターグラフィックスにはない美しいアニメーションと悪役も暴力も出てこずに、見た人を終始笑顔にさせるストーリーや人物描写、個性あるキャラクターと幻想的な世界の描写が海外でも人気となっています。


アニメに出てくる家。外観だけでなく、家具や生活用品なども作品と同じように再現されている

アニメに出てくる家。外観だけでなく、家具や生活用品なども作品と同じように再現されている(©二馬力)



父親の書斎は本が山積み

父親の書斎は本が山積み(©二馬力)

 愛知県長久手市の愛・地球博記念公園の中には、そのアニメに出てくる家を丸ごと再現した「サツキとメイの家」があります。森の中の家は細かいところまでアニメと同じで、休日には姉妹の家に遊びに来た子供たちでにぎわいます。玄関から入ると右側が考古学者の父親の書斎で、室内は本や資料が一杯。正面の部屋にはサツキが勉強する机があります。昔の日本の小学生が使っていた小さな机で、参考書なども置いてあります。タンスの引き出しを開けるのも自由で、まさに姉妹の家に遊びに来たような感じです。


サツキの勉強机

サツキの勉強机(©二馬力)

タンスの中には家族の服がしまわれている

タンスの中には家族の服がしまわれている(©二馬力)

 机も本も、家の中にあるのはすべて映画で設定した時代のもので、日本中から探し出して展示しています。細部にまでこだわる日本人の特性がこんなところにも現れています。



日本の漫画を研究する

ジダンやメッシにも影響を与えたサッカー漫画「キャプテン翼」

ジダンやメッシにも影響を与えたサッカー漫画「キャプテン翼」
(高橋陽一/集英社)

 日本のアニメは、ヒーローものだけではなく、学校での日常生活を描いたアニメもたくさんあり、海外でも人気となっています。特に「キャプテン翼」や「がんばれ!キッカーズ」「イナズマイレブン」などのサッカーをテーマにした作品は、海外でも大きな反響を呼びました。特に、サッカー好きの少年大空翼が小学生からプロ選手として活躍するまでを描いた 「キャプテン翼」はサッカーを通じた不屈の精神などを表現し、国内外の多くのサッカー少年に夢や希望を与えました。FIFAワールドカップに出場したジネディーヌ・ジダンやリオネル・メッシもキャプテン翼に魅せられ、サッカー選手を目指したそうです。


建物は廃校になった小学校の校舎を改築し利用している。屋外の芝生の上でマンガを読むことができる

建物は廃校になった小学校の校舎を改築し利用している。屋外の芝生の上でマンガを読むことができる

 そんなアニメ大国の日本らしく漫画本を集め、研究するための施設もあります。日本の代表的な古都、京都にあるのが「京都国際マンガミュージアム」です。日本や海外の漫画に関する約30万点の雑誌や資料があります。日本の若者だけでなく、京都観光に来た外国人観光客もたくさん訪れるスポットとなっています。


館内にある全長200メートルの「マンガの壁」。約5万冊のマンガが並んでいる

館内にある全長200メートルの「マンガの壁」。約5万冊のマンガが並んでいる

 驚くのが館内の壁に作られた全長200㍍の本棚。「マンガの壁」と呼ばれ、約5万冊のマンガ本が作者ごとにびっしり並んでいます。気に入った漫画は廊下やテラスのほか、天気のいい日は芝生のグラントで寝転がって読むこともできます。土曜、日曜日と祝日にはプロの漫画家がマンガの制作を見せてくれ、下描きから完成までの作業を目の前で見る子どもたちはみな目を輝かせています。


 日本のアニメや漫画は多くの海外のこどもたちに愛されています。そのキャラクターたちはテレビや映画のスクリーンを飛び出し、日本各地のテーマパークで子どもたちと遊んでいます。漫画大国日本ではそんなアニメの楽しみ方ができます。


(2012年7月更新)