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流行通信

伝統の詩歌をカード遊びで楽しむ


パート1

31文字の古典がゲームになった

 日本では、正月などに家族で「かるた」遊びをする習慣があります。かるたとは、歌やことわざなどを読みあげ、それに合う絵や文字が書かれた札を早くたくさん取った人が勝ち、というカードゲームです。中でも「百人一首かるた」は、古くから親しまれている優雅な遊びです。


百人一首のかるた

百人一首のかるた。31文字の和歌とともに作者の姿がかかれたカラフルな「読み札」と、下の句の14文字だけがしるされた「取り札」が、それぞれ100枚ずつある(©AFLO)

 「百人一首」は、和歌を100首集めた歌集です。代表的な和歌には、日本固有の詩歌のかたちで、5・7・5・7・7の字句を連ねた31文字で作られる短い歌があります。前半の17文字を上(かみ)の句、後半の14文字を下(しも)の句と呼び、それぞれがひびきあって美しい音のリズムを作り出します。


読み手(左)が絵札を読みあげる声をきき、それにあった文字札を取る(右)

読み手(左)が絵札を読みあげる声をきき、それにあった文字札を取る(右)(©AFLO)

 平安時代(8世紀末~12世紀末)の半ば頃から、自然の美しさや恋する思いをテーマにした歌が貴族によって盛んによまれるようになり、1235年ごろには、7世紀半ばからの100人の歌人の和歌を1首ずつ選んでまとめた「百人一首」が作られました。


 その後、百人一首を使ったかるたが考案され、気軽に楽しめるカードゲームとして現代にまで受けつがれてきました。遊びながら古典に親しめる百人一首かるたは、学校の授業にも取り入れられて小学生や中学生に親しまれていますが、最近はまた、新しいブームのかたちがみられます。