小学校時代をともにすごす大切なかばん
日本の小学生が通学に使う「ランドセル」は、とても機能的なかばんです。皮や人工皮革でつくられているから丈夫ですし、リュックのように背負えるので両手を自由に使うことができます。さらに、ふたが大きく開くので教科書やノートなどの出し入れも簡単です。
学習机とならんで新入学生へのおくりものとしても喜ばれ、おじいちゃんやおばあちゃんからおくられたピカピカのランドセルを背負って登校する新1年生も多いのです。
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教室の机に置かれたランドセル (2点とも©AFLO)
ランドセルをせおった小学生
ランドセルの歴史は、19世紀の終わりにまでさかのぼります。日本では、その頃に西洋の軍隊制度が取り入れられたのですが、兵士たちが背負う四角いかばんをオランダ語で「ランセル」といい、それが「ランドセル」ときこえたのです。1885年に、とある名門小学校で、その兵士のかばんを通学用に使うようになりました。当時のものは布製だったそうですが、やがて革製のものを特別注文することが流行し、現在のランドセルの原型になったといわれています。
最初はごく一部の小学校だけで使われていたのですが、やがて1960年代に入り、日本が豊かになるにしたがって、小学生の通学かばんとしてひろく普及(ふきゅう)していきました。