大貫はワガママなことばかり言って、みんなから嫌(きら)われています。「お前が私を知っているっていうだけで腹が立つ。気やすく私の名前を呼ぶな。お前の頭の中になんかいたくないんだ!」とさけんでいます。
そんなある日、この病院に少女・パコが入院してきました。交通事故にあったパコは1日しか記憶(きおく)が保てない病気になっていて、事故で両親が亡くなったことを知りません。そして絵本「ガマ王子対ザリガニ魔人」をママからの誕生日プレゼントだと信じて、毎日毎日ベンチに座って読んでいたのです。

パコと大貫
(c) 2008 「パコと魔法の絵本」製作委員会
そんなことは知らない大貫は、パコが大貫の金のライターを取ったと勘違(かんちが)いして、なぐって泣かせてしまいます。しかしそのあとでパコの病気のことを知って、さすがにワガママな大貫もパコに謝ろうとしたのです。すると、小さな奇跡(きせき)が起こりました。なんとパコは自分をぶった大貫のことを覚えていたのです。