地球にやさしい乗り物
太陽の光をエネルギーにして走る自動車をソーラーカーと言います。日本ではエンジンとモーターを組み合わせるハイブリッド車などがすでに普及(ふきゅう)していますが、このソーラーカーの研究も進み、世界最高水準の技術を持っています。ガソリンを使って走る自動車は二酸化炭素(にさんかたんそ)を排出するので地球温暖化(ちきゅうおんだんか)につながるといわれていますが、ソーラーカーは太陽光を使って走るため、地球にやさしい乗り物です。ソーラーカーはまだ実験段階ですが、最先端の技術を持つ日本から実用ソーラーカーが生み出される日は遠くないかもしれません。
世界大会で5連覇
ソーラーカーは、車体に取り付けた太陽光パネルで吸収した太陽光を電気に変え、モーターを動かして走る乗り物です。そのため、エンジンの騒音も排気ガスもありません。

南アフリカ大会でケープタウンを目指して走る東海チャレンジャー(東海大学提供)
日本で最も技術的に進んでいるソーラーカーは、東海大学チャレンジセンターのライトパワープロジェクトのチームが造った「東海チャレンジャー」です。この車は、2008年から12年までの南アフリカ共和国とオーストラリア連邦の両国で隔年(かくねん)開催される世界最高峰のレースで5連覇(れんぱ)を達成しています。

空気抵抗を少なくするようにデザインされた車体(東海大学提供)

正面から見ると板のような車体
2012年の南ア大会は、国際自動車連盟(FIA:Federation Internationale de l'Automobile)代替エネルギー杯として開催されました。3カ国14チームが参加してプレトリアからケープタウンを経由して戻る世界最長のコースです。東海チャレンジャーは11日間で4631?走破し、2位に18時間42分の大差をつけて優勝しました。
11年のオーストラリア大会は、ダーウィンからアデレードまでの約3000?の大陸縦断コースで、この時は20カ国、37チームが参加する激戦でした。
この車の平均速度は時速90?以上。最高速度は時速160??にもなり、スポーツカー並です。太陽のエネルギーをこのようなスピードを出せる動力に変えるには、高度な技術が必要になります。