秋葉原の魅力はその「怪しさ」にある
経済アナリスト 森永卓郎さん
私がミニカーを集め始めたのは9歳のときからです。父が買ってくれたのがきっかけだったのですが、今ではその数は2万台を超えました。
ミニカーというのは、極論すればアートなんです。とくに昔のミニカーは、コストと技術、安全性の制約の中で、いかにその車を表現するのか、メーカーの技術者たちの苦心が表れているのです。実物の自動車をそのまま縮小するのではなく、省略したり、デフォルメしたりしている。いわば実物の自動車の個性と、メーカーの個性が重なり合っているわけですが、そこが面白いんです。
秋葉原にもよく行きます。ミニカーを売る店が数多く出てきたのは、ここ5年くらい。新作だけじゃなく、中古品を扱う店もあります。秋葉原の魅力は、そういう街の懐の深さと怪しさです。路上にシートを敷いただけの店もあって、自分に眼力があれば安く掘り出し物を手に入れることができる。この街には、そんな面白さがあります。