砂金採りはじっくり、ていねいに
甲斐黄金村 湯之奥金山博物館(山梨県)
15〜17世紀にかけて、富士山のまわりに多くの金鉱山が栄えた。山梨県身延町の湯之奥金山もそのひとつ。現在は、近くに博物館が立てられている。この湯之奥金山博物館の目玉が、砂金採り体験だ。
直径30pほどのプラスチックの平皿を両手で持ち、水槽の中の砂をすくい入れる。「水面ぎりぎりのところで、皿を水平にゆすってください」と、学芸員の小松美鈴さん。ゆすっているうちに砂の中の砂金が皿の下に沈んでいく。金は、砂よりはるかに比重が大きいからだ。
「今度は水の中で大きく円を描くようにして、砂を流していきましょう」と小松さん。この「ゆする」と「流す」を繰り返すと、皿の底にピカッと光る粒が見える。それが砂金だ。コツは、ていねいに作業をすることだという。砂金採り体験の制限時間は30分。初めてでも10粒は採れるよう、水槽に砂金を混ぜている。
近くの下部川では、今も砂金が採れる。博物館で練習を積み、実際に川に入って砂金採りをする人もいる。