時の権力者たちは、金鉱山の開発や貿易の成功を背景に、金の建物や芸術品を次々とつくらせた。永遠に輝きを失わない金が、仏への信心を、富や権力を、最大限に表現してくれると信じたからだ。やがて芸術家や職人たちは、金を自在に使いこなし、金の文化を成熟させていった。
文●内山育恵