地元の誇り、マングローブを守りたい

名護市立屋我地中学校の生徒たち


屋我地島は、沖縄本島北部・本部半島のつけ根に接する、周囲16qほどの小さな島である。

かつて、この島の干潟にはオヒルギやメヒルギなどの豊かなマングローブが広がっていた。ところが第2次大戦後、護岸工事のために伐採され、減少を続けてきたのだった。そんななかで屋我地中学校の裏の干潟には、今でもマングローブが広がっている。しかもそこには、日本一の高さにまで育ったオヒルギの林もある。

「マングローブは『いのちの揺りかご』といわれるほど、さまざまな生命を育てているんです」と、沖縄本島北部で森林保護の活動をしている坂下宙子さんは言う。干潟に落ちたマングローブの葉や種がカニや魚の餌になり、根は生き物たちのすみかになる。さらに広い干潟は海水の浄化もする。

そんな地元の大切な自然を守っていきたい、と屋我地中学校では、1993年から全校生徒が植樹に取り組むようになった。毎年600〜1000本の植樹を続けているのだ。「自分で植えた木が育つのを見るのはとても楽しい」。生徒たちは口々にそう話していた。

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