海の恵みをそのまま閉じ込めた塩

株式会社ぬちまーす 社長 高安正勝さん


海から汲み上げた海水を独自の方法で細かい霧に変え、50℃に保たれた工場内に散布する。すると瞬間的に海水の塩分ミネラルなどが空中で結晶になる。それが「ぬちまーす」である。いわば海水のミネラル分がすべて含まれた塩だ。

「海はあらゆる生命の故郷です。海水には生命を維持するために必要なものがすべて入っています。だからこの塩は“生命の結晶”ともいえるんです」

独自の製塩法である『常温瞬間空中結晶製塩法』を編み出した、ぬちまーすの社長・高安正勝さんは言う。ぬちまーすとは、沖縄の方言で「いのちの塩」という意味だ。

海水をそのまま結晶化するので、原料にはより清らかな海水を使いたい。その思いで高安さんが選んだのが、沖縄本島東海岸の宮城島だ。工場排水や農薬汚染のない漁業中心の島である。

2000年、ぬちまーすは、ミネラルの含有量世界一の塩として『ギネスブック』にも認定された。

「私はこの塩で、ミネラル不足の人類を救いたいと思っているんです」

それが高安さんの志なのである。

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